先日、心理占星術の初級クラスの生徒からこんなコメントが上がった。
「心理占星術って痛いですね」
まだ、学習半ばでのこと。
天体の象徴やハウスの仕組みなどを学んだ後で、これから心理占星術の実践読みに入ろうという時だった。
アメリカの心理占星術の権威ノエル・ティル氏のメソッドを勉強している仲間からも、時折そういった声を聞くことがある。
自分のことが知りたい。けれど、自己の痛みを刺激されるのは怖い。
心理学を学ぼうという人にも同じ葛藤が見られるかもしれないが、占星術はホロスコープ(出生図)を通じて、視覚的に自分の抱き続けてきた無意識の恐れや不安などを突き付けてくる。嫌でも自分の「人生」と対峙させられるのだ。
一度はこの壁と真剣に向き合わない限り、心理占星術の学習はそれ以上進まないし、自分のことなんて一向にわからない。
わかったところで、「金星が牡牛座にあるから、五感を満たすのが好き」という、そんなの言われなくても知ってるよ!といった程度。
ましてやクライアントの現実と向き合うことはできない。
クライアントの抱えている問題は、つまり自分の問題だからだ。
隙のない完成されたティルのメソッドは、容赦なく自己の隠れた問題を現実の光にさらす。それは、やはり面白くない体験だ。
けれど、「OK、わかった。これが私の問題なのね」としぶしぶでも受け入れ、なんとか腹をくくれば、もう怖いものはない。
あとは、解決へのゆるやかな道を歩んでいけばいい。
もちろん、一進一退を繰り返しながらだが、それでも停滞し続ける人生にとどまっているよりはいい。
はるかに、いい。
私はコンサルテーションで泣いて喜びたいほどの数々の奇跡に立ち会った。
人が聞いたら、ただの「小さな変化」を起こしただけにすぎなくても、クライアントと私にはそれは奇跡だった。
なので、心理占星術の学びの入口にいるみなさん。
どうか恐れず、自己のホロスコープと向き合ってください。
そして、自分なりの奇跡を見つけましょう。
それは決して劇的ではなく、苦しい道のりになるかもしれないけれど、手にした新しい地図は、魔法のありかを教えてくれます。
そして魔法とは、行動です。