心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

Sagittarian people いて座の人々

キャンドル&猫ブログの手抜きを友人に見破られたので、今日は気合を入れて。

私の講座では12サインを学ぶ際、各々のサインらしさ(特に太陽サイン)をイメージできる人物を題材に、サインの性質や進むべき方向性などを理解するよう勧めている。

太陽は、個人の人生を未来に推し進めていく原動力や自己存在を公に表現する力を持っているが、それはそう簡単に体現できるものではない。

だから、各サインの代表的な人物や作品を深く解釈することで、よりそのサインの生き生きとしたイメージを理解できるのではと私は考えている。

リズ・グリーンは太陽についてこう書く。

「太陽はすべての人の心の中にある自分を表現し、潜在的にもっているものになろうとする衝動」

「努力してそうならんとしているもの」

「それは達成されなければならないものの象徴」だと。

このように使いこなすのが難しいからこそ、人は太陽を夫に投影したり、自分が何者かを知らず、人生をさまよい続けることになったりする。

太陽が不全感を抱えていれば、太陽系の天体(月以外)は何を、何のためにといった目的を持たず、原始的な動き(金星は快楽的で火星は怒りにまかせるというよう)に終始するのは容易に想像できる。

ということで、今日はいて座。

どのサインもそうだが、自分の持っていないサインは理解するのが難しい。

特にいて座はレッスン中も、「よくわからない」という声を多く聞く。

そして、誤解を受けやすいサインでもある。

たいていは、「楽観的」ということで片付けられている。

ティルは、いて座の月の欲求を「社会に言いたいことがある」と説明しているが、ならば太陽は「社会に言いたいことを主張する力」を持っているとも考えられるかもしれない。

私はいつも、いて座を「布教活動を熱心にする敬虔な信者」と説明する。

つまりいて座の力とは、自分の信じた理想を追い求め、それを社会に真摯に表現していこうとする人々だということだ。

こうして考えると、私にはある2人の人物が思い浮かぶ。

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ひとりは「幻視者」(Visionary)の異名を持ち、「預言書」と呼ばれる作品群において独自の象徴的神話体系を構築したイギリスの神秘主義詩人、画家のウイリアム・ブレイク。

ブレイクは、詩集「無心の歌、有心の歌」の中で、絶対的な「善」としての神を幼子の中に見出した。

あとがきの中沢新一の言葉を借りれば、ブレイクは「自分の魂をこの世界から脱出させて、高い霊性の状態に上昇させていこうとしたのである」。

絶対的な「善」。「高い霊性」。

最後の火サインにふさわしく、精神性の高み、大きなジャンプを目指す。

ブレイクは太陽サインだけでなく、いて座の支配星でもある木星もいて座。

やっぱりね。

もうひとりは多くのアーティストに影響を与えている、アメリカ人の詩人エミリー・ディキンソン。

彼女の詩はピューリタニズム(清教徒主義)の影響を色濃く受けていると言われているが、実生活も地味で潔癖だったという。

彼女ほど、道徳的な性格を備えた詩人はいないとさえ言われている。

ディキンソンは、自宅の個室に閉じこもり、簡素で美しい「絶対的真理の世界」をいくつも紡ぎだした。

いて座や9ハウスは海外旅行を象徴すると言われているけれど、実際に旅するのではなく、思索をめぐらす精神世界への旅もいて座の象徴。

彼女のホロスコープには、いて座の太陽・水星・金星が見事にコンジャンクションしている。

これはティルの言う理想主義だ。

では、私の大好きなディキンソンの詩をひとつ。

私は家で一番目立たないもの

一番小さい部屋を占めていた

夜には 私の小さなランプと 本と

ただ一本のゼラニウム

いつまでも降り続ける

その香りを嗅げるほど近くに置かれている

それから 私の手さげかご ほかになにかあったかしら 

いや それで全部

話しかけられなければ決して 私は口を開かない

それも手短に低く答えるだけ

大声で生きるなんて耐えられない

大さわぎはいつも恥ずかしかった

だからもしそんなに遠くでなかったら

また知っている人たちもゆくのなら---私はひとりよく思う---

なんて静かに死んでいけるだろう

このように宗教観が強い欧米のいて座の人々。

より純粋で無垢、より精神性の高みを目指し、己の理想を社会に表現する。

他にもウォルト・ディズニーや私の永遠のアイドル、ジミヘンなどもいて座だね。

みなさんは、自分のいて座をどのように使っているだろうか?