心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

ノエル・ティルについて熱く語る夕べ&精神分析本の紹介 第二弾

石塚さん、芳垣さん、きのうはお疲れさまでした。

時折、震災におけるサバイバル術&護身術等の脱線もありましたが、ティルのコンサルテーション術の素晴らしさを3人で熱く語りつつ、有意義な時間を過ごすことができました。

とにかく、おふたりは古典から現代、メディカルやアロマなど、多岐に渡る様々な占星術の知識を持った方々。

予習会のディスカッションもかなり華やかなものになるのではないかと期待できそう。

土曜日が楽しみです。

あ、私もそのディスカッションに参加するんだった。

石塚さんによると、参加者も大勢いらっしゃるとか。

是非みんなで楽しい予習会にしましょう!

ということで、今日は精神分析本の紹介第二弾。

日本でも知名度の高い精神医学博士アンソニー・ストーの「孤独---自己への回帰」という本。

ストーの本では、河合隼雄の訳した「ユング」が有名か。

とにかく、現代病とも言える対人関係の問題に「孤独でいられる能力とは」というストー独自の視点で切り込んでいく。

東半球の強調の人に喜ばれそうな内容だけど、ということは、つまり西半球強調の人へのアドバイスを考えるのには効果的ということ。

また、幼少期の成長プロセスの理解を深めるのに打ってつけの内容となっている。

私が今日ピックアップしたいのは下記の文。

「患者が早期幼児期の空想や感情に近づくことを、誰も期待していない。患者の幼児期について、両親が話す詳しい説明でさえも、分析家が求めているものではない。すなわち、分析家の求めているものは、幼児期の事実としての状況よりも、それについての患者の主観的反応なのである」

ティルのコンサルテーションのやり取りを読んでいると、ストーの言葉の意味がよくわかる。

時にクライアントは、幼少期の暗い体験を甘い記憶に置き換えようとする。

たとえば、ティルの翻訳本「心理占星術 コンサルテーションの世界」の110ページでの親の擁護や美化などがそれに当たる。

その会話に共感を示し(現場でよく見られる光景)、長々とつきあうことで、クライアントの理想主義をさらに増長させることになるとティルは考える。

なのでティルは、速やかに重要な成長のステップの本流へと会話を戻し、的確にクライアントにとって必要や体験の主観的反応をつかみ取っていく。

ティルはまず、お互いの信頼関係を築き上げてからコンサルテーションに向かうということを前提としているが、こういった技術は一朝一夕に習得できるものではない。

しかし、コンサルテーションの迷路の罠に自らはまらないよう、鑑定する側はある厳しさと客観的な姿勢を保つことは重要のはずだ。

心理占星術の現場では特に。

それには、ティルのいう準備のプロセスは欠かせない。

クライアントのネータルチャート=人物像から、問題になりやすい点をしっかりピックアップしておかないと、彼らの問題の焦点をしぼるのは難しい。

ブースなどの一期一会の現場で鑑定をしている人は、「準備プロセスなんて無理!」と考えるかもしれないが、訓練によっては、重要なポイントを素早く見つけ出すことがある程度できるかもしれない。

またクライアントの愚痴に長々付き合うのではなく、占星術師が会話の流れを導くことも可能になるかも。

でも、やっぱり難しいのか…

まあ、とにかく何事も鍛錬、鍛錬。

そういえば、きのうのサバイバル術の話によると、震災の時重要になってくるのは、①水 ②眼鏡 そして③筋力ということ。

がれきを撤去したり、生活用水を運んだりと筋力は欠かせないものらしい。

筋力をつけるのにも鍛錬が必要だね。

孤独―新訳孤独―新訳
(1999/03)
アンソニー・ストー、吉野 要 他

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