心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

占星術師にとって何よりもうれしいのは…

クライアントと一緒に導きだした決断が結果や成果に結び付く。

そんな報告を受けた時だ。

悩みや迷いの渦中にいると、大切な答えを探し出すのは難しい。

そんな、こんがらがった人生の糸を解きほぐし、クライアントと一緒に人生を組み立てなおしていく行為は、コンサルテーションにとって何より重要になるだろう。

北側(半球の話の比喩ね)にベッドを置いて、ちょっとリラックスしてみましょうとか、南側に未来に向かった窓を作ってみましょうとか、今の自己像に一番ふさわしい人生観を作り上げていく。

もちろん、そう簡単に答えにたどりつけるわけではない。

コンサルテーション中、慣れ親しんだ古い家具を廃棄できず、何とかしがみつこうとするクライアントの姿を辛抱強く見守るだけの時もある。

けれどオンボロの家具を運び出すのを手伝い、一緒に新しい人生に必要な家具を揃えていく行為はエキサイティングでもある。

クライアントが暗い表情から一転、喜々とした表情で未来をポジティブなイメージに作り変えようとする過程に立ち会えるのはコンサルテーションの醍醐味だ。

感動で泣きたくなる経験も度々。

多分、このご褒美のために鑑定を続けている。

昨日、ひとりのクライアントの送別会&壮行会に参加した。

彼女は私もびっくりするほどのチャレンジ―――夢を形にするため、長野の地に拠点を移すことを決断した。

悩み、迷い、自暴自棄になり、苦しみぬいたのち、ようやく見つけた答え。

この報告を受けた時、あんまりうれしくて、何日も気分良く過ごすことができたほど。

そんな決断を下した彼女を自分のことのように誇らしく思った。

そうは言っても、人生はそう単純じゃない。

この先、多くの試練や困難があるだろうと思う。

それでも、きっと彼女は自分で出した答えに自信と責任を持ち、それらの障害を乗り越えるだろう。

自分を怠け者だと思っている人も、実際は、エネルギーが滞って、うまく動けなくなっているだけだったりする。

自分を責めるのではなく、できることを丁寧にこなしていくことだ。

焦らず、地道に。

そうすると、彼女のような劇的なチャンスが目の前に飛び込んでくることもある。

彼女の幸運は、勇気と努力のたまものだ。

ティル著「心理占星術 コンサルテーションの世界」の第9章「セラピーにおける工夫」は、私のコンサルテーションの指針のひとつになっている。

みなさんも、恐れず様々な人を鑑定し、このような喜びに立ち会ってほしい。