心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

東半球の防衛

「南半球と東電OL」のブログは多くの反響をもらった。

みなさん、思うところがあったのかもしれない。

今日の研究会でも南半球強調のチャートを扱った。

未来を追い掛け続けるしんどさを、少しはイメージしてもらうことができたのではないだろうか。

今日は東半球の防衛についての話。

半球の強調を学習した人なら、彼らの防衛の難しさを実感しているはずだ。

彼らは、ある一貫した特徴を見せてくれる。

こちらが判断する前に、「私はこういう人間です」と先に宣言をするという点。

「とやかく言われなくても、自分のことは自分が一番よくわかってます」という姿勢を見せ、ASC=ペルソナを強固に守ろうとする。

彼らには、「明るい人」「ユニークな人」「人懐っこい人」「だらしない人」「自由な人」「知的な人」と彼らのお気に入りの自己像を持っているようだ。

そして、そのイメージに合ったもの以外は徹底的に排除する。

たとえ、それが本当の自分からかけ離れていたとしても、そこにくたびれ果てるほどエネルギーを注いでいるとしても、自己像が崩れるよりはずっといいらしい。

つまり、いつだって先手必勝なのだ。

彼らは大抵、言葉が巧みだったり、存在に迫力があったり、ポーカーフェイスだったり、「触るな危険」みたいなムードを醸し出していたりと、驚くほど巧みな防衛手段を持っている。

そうなると、人はそれ以上、彼らの中には入っていけない。

ポンと、彼らの人生から弾かれてしまう。

なぜ彼らは、そんなにも自己を守る必要があるのか?

彼らの根底に流れている感情は、「どうせ人はわかってくれない」という諦めだ。

もしかしたら彼らは幼少期の体験の中で、早くから自立を迫られたり、孤独な時間をひとりで耐えなければいけなかった環境に身を置いていたのかもしれない。

他者からの信頼できるサポートが受けにくく、「頼りになるのは自分だけ」という生き残りの力を身に付けたのだろう。

そのため、その後の人生においても、人のニーズより自分のニーズを満たすことに忙しい。

7ハウス側をやってみても、相手が理解してくれないと判断すれば、急いで自分のテリトリーに戻ってしまう。

大抵、彼らの難しさは、5ハウスや8ハウスに派生していることが多い。

つまり、気軽に愛情を表現したり(5ハウス)、他者の価値を受け入れたり(8ハウス)することが難しいのだ。

けれど、相手を理解する姿勢を見せ、相手のために妥協することを覚えなければ、決して人は彼らを理解してあげることはできない。

彼らが望むような劇的変化や出会いは、そうそうは訪れない。

圧倒的な力を見せつければ、人は尊敬はしてくれるだろうけど、心を開いてくれることはない。

人は、お互いの弱さを共有することで協力関係を築くことができる場合が多い。

「これは私の苦手なことだから、あなたの力が必要だ」と一言伝えれば、人は喜んで手を差し伸べる。

そうすれば、何もひとりで負担を抱え込むことはないのだ。

半球の強調のバランスを取るのは難しい。

言ってできるものでもない。

物事がうまくいっているときは、自分の好きにふるまってもいい。

堂々と自信を持って、自分の慣れた方法を取ればいいのだ。

でも、もし現実が行き詰っていると感じたなら、反対の半球を意識してみることは重要だ。

地球も月も太陽も、そしてホロスコープも丸い。

様々な位置から人生を眺めることができたら、きっともっと楽になれるかもしれない。