心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

心理占星術の可能性

私は心理占星術的技法を用いて鑑定をし、そこで得た知識を講座を通して教えている。

でも、まだ何もかもが手探りの状態。

コンサルテーションも手ごたえを確認しながら、方法論を探んている段階だ。

先日も石塚氏と、精神分析認知療法やらのテクニックをどうやって占星術的に落とし込むかといったことを話し合ったが、おそらく、それはとても時間のかかる作業になるだろう。

認知療法の有効性は何年も前から明らかにされている。

特に年々増加しているうつ病などの気分障害パニック障害強迫性障害、不安障害などに対し短期間で効果を上げることができる。

臨床結果の研究から、抑うつや不安などの症状の中核には何らかの思考障害が見られるということから、「自動思考が感情や行動を決定している。その歪曲され、非機能的に作動している思考を客観化し、修正することで、気分と行動に改善をもたらす」という認知療法のアプローチが効果をあげているのだろう。

この辺は、私の講座に出ている人なら耳タコの「”どのような考え方を身につけたのか”という水星=3ハウス関連は、IC=アイデンティティ形成にとって非常に重要なんです」という言葉につながっている。

だから月、水星の発達年齢域の出来事に注目するとともに、水星=考え方がどこから、誰から派生しているのかを検討することは、ホロスコープの持ち主の問題解決の糸口を知るためにも急務だ。

私が「水星って難しいんですよ」としつこく言っているのは、別に認知療法の学習が背景にあるわけではなく、コンサルテーションから導き出した感覚なのだが、こういった概念を心理学的アプローチと結び付け、構造化できれば、もしかしたら心理占星術の可能性を広げられるのではないかということだ。

こうした知識を私のできる範囲でこれからもお伝えしていくが、私はあまり物事を複雑にするのが好きではないので、知識は知識として取り入れるが、できれば占星術の象徴から、問題を導き出せるよう単純化していきたいと思っている。

曼荼羅のようなホロスコープのスタイルは、何を持っても代用できない神秘に満ちている。

もちろん、占術というのは何においても万能ではないし、というか万能かもしれないけど、私たち人間のほうが万能ではないので、神のような目でジャッジを下すことはできないのだから、自分の理解できる範囲で答えに近付いていくしかない。

ホロスコープを読んで「わからない」と感じたら、それはどんなアプローチをしてもわからない。

つまり、自分の中に知識がないと思って正解。

「24時間の情事」の時にも書いたけど、自分の人生に組み込まれていないボキャブラリーは、どう絞っても絶対に出てこないのだ。

「わからない」ものは、わかりようがない。

心理占星術的アプローチの可能性は、それでもやはり大きい。

パターン化された難しさに光を当てる=意識化することができれば、大抵の心の不安や恐怖は軽減される。

流れの滞っているパイプには、何がつまっているのか?

血流の悪さは、何が原因なのか?

心理占星術は、そこに的確にアプローチすることができる。

マッサージのように表面的にコリをほぐすだけの気持ち良さではなく、「生活習慣の改善」や「朝晩服用」みたいに本人の努力を伴う必要もあるのでそうイージーではないが、でも間違いなく生きやすくなる。

私は24歳の時、ある暗闇と対抗した。

知り合いが経営していた那須のペンションに逃げ込んだ時の出来事だ。

夜、ペンションのまわりをブラブラ散歩していたのだが、突然、その道の向こうは深い暗闇だということに気付いた。

「私は何を恐れているのだろう。私は一生、この暗闇に心を向けていくつもりなのか?」

その時、ふと雲が切れ、私の足元に月光が差した。

私は突然、自分の不安の原因を知った。

私はそれまで、本当の自分を生きていなかったのかもしれない…

私は講座で無意識と意識の話をする時、タロットカードの月と太陽の話をする。

月=無意識の後に、太陽の意識の統合がやってくる。

太陽の意識の力は自己の持つ恐れや闇、心の傷やコンプレックスに打ち勝つ力を持つ。

心理占星術も太陽と同じ力を持っている。

自己の心に明るい光を当てること。

それができれば、人は人生に自信と強さを取り戻すことができる。

これからも、このようなことを講座やコンサルテーションを通して伝えていきたいと思う。