先月は講座や研究会などで、集中して天皇家の心理占星術読みをやった。
皇室フリークの生徒さんもいたりして、私も大いに学ばせてもらったが、みなさんにも多少でも得るものがあったと思う。
ティルセミナーでイギリス王室のホロスコープが取り上げられたことに刺激されたというのもあるが、なぜか最近、皇室の動きが気になって仕方ない。
折しも、天皇陛下のマイコプラズマ感染、ブータン王国夫妻来日や防衛相の非礼発言等もあり、皇室への注目が集まっている。
それにしても天皇家の方々のチャートは、いつ見ても面白い。
ゴシップ的にではなく、心理占星術的に発見の多いホロスコープをそれぞれ持っている。
丁寧に読み進めていくと、共通して土星、水星、海王星が優勢に働いているのがわかるはずだ。
またハウスでは2ハウス=自己価値、4ハウス=ルーツ、6ハウス=公務、8ハウス=継承がとりわけ強調されている。
チャートを読んでいると、1400年以上に渡る日本の歴史の重さを同時に感じることができる。
不思議な感覚だ。
彼らにはエゴなんてものはない。
「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」として責任、義務を果たさなければならない。
それが彼らの存在理由だ。
でも実際、天皇の価値はそれだけではない。
エリザベス女王だって天皇陛下と同席するときは上座を譲るし、アメリカ大統領も空港へホワイトタイで出迎える。
ちなみにアメリカ大統領がこのような敬意を示すのは、天皇陛下とローマ法王と英国君主のみ。
つまり天皇という存在は、ある種の抑止力というか、日本に対する諸外国からの尊敬を維持し続ける力になっているのだ。
けれど時代は大きく変わろうとしている。
冥王星が山羊座に入り、土星は冥王星、天王星から猛烈なアタックを受けた。
天皇家の象徴が土星や山羊座で示されているとしたら、この天体配置に無関係とはいかないだろう。
自国の防衛相ならびに他の議員の無礼な態度しかり、雅子様や愛子様へのマスコミの異様なバッシング報道しかり、天皇家に不穏な空気が漂っている。
思想的に右も左もないけれど、こういった流れをみていると、天皇家を守る防壁がもろくなっていくことに一抹の不安を感じる。
なぜって、皇室に少しも敬意を払えない政治家たち、マスコミたちの愛国心の薄さが恐ろしいではないか?
ブータン王国夫妻を見ればわかるが、武器を持たずに愛と尊敬を一心に勝ち取れる人物というのは世界でもそう存在しない。
国力の弱まった今こそ、皇室という外交の力を有効的に利用することは国益を考える政治家にとって必須のはずだ。
私には、天皇の存在が日本の最後の砦に思えてならない。
今から154年前、初代駐日米公使のハリスは日本のもてなしに感動し、こう書き残している。
「気品と威厳を備えた廷臣たちの態度、名だたる宮廷に栄光をそえる洗練された作法、そういったものはインド諸国のすべてのダイヤモンドよりもはるかに眩い」
「おお神よ。この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳を持ち込もうとしているように思えてならない」
敗戦後、見事にハリスの言うとおりになってしまった。
モルデカイ・モーゼ著「日本人に謝りたい」の中にもこんなことが書かれている。
「私が日本の天皇制の本質を知ったときの驚きが如何なるものであったかは、推して知られたい。地球上にユダヤ民族の理想が実在したのである。一般のヨーロッパ人は、とてもこのようなすばらしいものを創ることはできないであろう。我々ユダヤ民族も残念ながら未だ創ってはいないのであるが、しかしそれがすばらしい理想であるということを知っているだけでも日本人に近く、ヨーロッパ人よりも優れていることを日本人に認めていただければ無上の光栄である」
長い歴史の中で、皇室は衰退しては復活しを繰り返してきた。
牡羊座・天王星が山羊座・冥王星とタイトなスクエアを形成する2012年、天皇制(シャレじゃないよ)にも何かしらの改革が迫るのだろうか。
そうえいば、皇太子のチャートは天王星が優勢だ。
彼の動向が、今後の皇室の有り様の鍵を握っているかもしれない。