心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

夢と失望の狭間

最近時事ネタが多いのは、来年の年運を考えなければならない機会が増えたからだけど、夜な夜なトランジット図を見ていると、気が付いたら1400年代まで遡っていたりするから驚く。

物事の原因の原因の原因を探っていると、結局、歴史は繰り返しているだけだという虚しい感じも受ける。

舞台設定と登場人物が変わっているだけ。

むしろ後退している印象さえあり、人間の愚かさを痛感させられる。

長い歴史の中のせいぜい80年くらいしか生きることができないのだから、こんな嘆きさえ雀のくしゃみ程度なのだろうけど、それでも今の時代は誇らしい気持ちになれるような出来事に恵まれていない気がする。

今日の新聞のトップの事件などがいい例だ。

オウム事件の裁判はすべて終結したが、一連の事件の死刑囚は120人を超えるという。

被害者の家族たちは、この日をずっと待ち望んでいた。

松本サリン被害の河野さんは、「死刑執行に反対しないでよかった」と語っていた。

どの事件もそうであるように、たとえ世間から事件が忘れ去られたとしても残された家族の傷は癒えることはない。

オウム真理教は、1984年にヨーガ道場「オウムの会」から始まった。

この時期トランジット図では、山羊座の0度で海王星木星が合になっている。

つまり、ここが麻原の夢と理想のスタートだったのだ。

社会的に見れば、マハラジャとディズニーランドに象徴される通り、バブルの夢の始まりだ。

その後、薬物などのまやかしや拉致監禁などの暴力的な力を借りて、1万人の信者を持つ巨大組織になった。

あらゆる行いは欺瞞に満ち、その欺瞞は若者たちを引き付けた。

私にも信者になった知り合いがいる。

後に筑波大に進学した高校時代の部活の先輩と後輩で、2人とも寡黙な長距離走者、とても穏やかな性格の持ち主だった。

そして数々の悲惨な事件を起こし、1996年1月30日、オウム真理教の宗教法人法上の解散が確定した。

この時のトランジット図でも海王星木星は合を形成し、麻原のネイタルの海王星とスクエアを取っている。

つまり、自身の理想の崩壊だ。

こうして、彼の一連の身の程知らずの夢と欺瞞に満ちた活動は終わった。

海王星には犠牲者/救済者の図式があるように、騙す者/騙される者の図式もある。

騙すも者は、騙される者の「嘘でもいいから夢を見させてほしい」という受動的、無意識的なエネルギーを利用する。

楽になれるなら、現実から逃れられるならと甘い蜜に吸い寄せられる。

でも、どちらも海王星のエネルギーを利用しているのだ。

すべては、こうして相互のバランスによって成り立っている。

悲しみと怒りが交錯した2011年も、残すところ40日あまり。

2012年は木星海王星がスクエアを形成する。

夢と出るか失望と出るか。

それとも、その狭間で揺れ動くだけだろうか。

けれど、夢を独り占めすることができる時代ではないことは確かだ。

オリンパス大王製紙の背任行為、ナベツネの独裁体制を見れば、時代はシビアに迫ってきてるのがわかる。

最近、星空がきれい。

これは冬になる楽しみのひとつ。

夜が静かで長い。

これも冬の楽しみ。

しかし、被災地の人々は寒さに震えている。

魚座海王星が入れば、私たちは弱者に無関心ではいられなくなるだろう。

私たち自身が弱者となるかもしれないのだから。