心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

占星術と社会との架け橋

きのう生徒さんから、うれしいメールをもらった。

目指すべき目的、目標、そして新しい仕事を得ることができたというメール。

それは、数か月ほど占星術から離れ、星の動きなど関係なく生きてみようと思った結果だった。

それでも、研究会には参加したいという。

また、先週の火曜日にはこんなこともあった。

占星術をやってみたいという方の面接をした際、「占星術を真面目に勉強するということに、何か複雑な葛藤がある」と言われた。

このような複雑な葛藤は、おそらく占いをやっている多くの人が感じることだ。

昔は私にも同様の思いがあった。

もしかしたら、まだ心のどこかにわだかまりが残っているかもしれない。

また、人から偏見のある扱いを受けたこともある。

異業種の会というのに参加する際、「占いという肩書はやめてほしい」とある会社の社長さんに言われたのだ。

もちろん、私は断ったけど。

そういうこともあり、きのうの講座で「○○さんにとって、占星術の位置づけはどのようなものですか?」と聞いてみた。

彼女は今、大学で法律を学んでおり、年金や保険制度の法改正についての高い意識を持っている、非常に現実的なタイプの女性だ。

それなのに、なぜ占星術を学ぶのか?

彼女の答えはこうだ。

「私は視野が狭くなりがちなんですが、占星術はそこに広い視野をもたらしてくれるんです」

その答えを聞いたとき、私は占星術を教えてきてよかったと心から思った。

そして彼女に「是非、占星術と現実社会との架け橋をしてほしい」と言った。

偏見や自分自身の葛藤と戦うためではない。

彼女の現実的な感性は、これからの占星術界にも必要となるだとうと思うからだ。

私は、既に占星術の世界でどっぷり浸かっているので、彼女に外側からの占星術の在り方を教えてほしいのだ。

メールをくれた生徒さんに対しても同じことを願う。

占星術から離れたことによって得た現実的な感覚がどのようなものだったのか。

それを私に教えてほしい。

私にもっと現実的な感覚で意見をしてほしい。

会社法日米地位協定皇室典範、消費税など、今、様々な分野で変化の必要性を迫られている。

占星術業界だって例外ではないはずだ。

貴族のサロン文化のようにお金のある人が趣味の延長として学ぶだけでもなく、「自分探しのツール」だけに利用されるわけでもなく、「3日やればブースに出られますよ」みたいな超お手軽な小遣い稼ぎの手段だけなく、これからは何かもっと現実社会に根ざした感覚が必要になるかもしれない。

占星術は時代とともに、いや時代を反映しながら歩んできた学問だ。

迫害や偏見の対象になり、それでも生き残ってきたのには理由がある。

そして、社会が未来の希望に依存できないこの時代、株式などの金融商品原発などの文明に失望感のある今こそ、占星術が必要だと私は考える。

アニミズム的な古代思想回帰もあるかもしれない。

もちろん、象徴言語を現実的に利用するには限界がある。

占星術のあいまいさの限界。

そこに橋を架ける役割として、現実感覚に長けた人たちに占星術の解釈のお手伝いをしてもらいたい。

だから、彼女たちの決断や生き方に期待している。