心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

占い業界の将来を…

勝手に心配している。

というのも、最近よく「占いの仕事がつくづく嫌になった」という声を聞くようになったからだ。

そのように口にする人の多くは、労働の割には「稼げない」感を持っているように思う。

現在の経済状況も大いに関係しているだろう。

一日ブースに座っていても、以前のようにはお客さんは来ない。

来てもぽつぽつ。

交通費分の足が出ることも多い。

もちろん、ブースの仕事だけではない。

2,3日前に原稿を頼まれた時も、「この仕事だったら、前は○○万円くらいだったのに…悪いね」と言われた。

世の中がこれほどデフレなのだとしたら、この業界だって例外ではない。

先日、出版物のプロデュースをしているという人に会った時に、こんなことを言われて驚いた。

「占い師って稼げるんですよね。月100万とか」

まさかね。

細木和子とかの影響なんだろうか。

または、ブログとかで金満(業界用語では開運?)メイクをした華やかな顔写真を載せてる人の影響とか?

よくわからないけど、様々な理由で最近の占い師は、派手な印象を持たれているようだ。

しかし現状は、占いだけで食べている人なんてごくごく一部。

たいていは、家族のサポートを受けているか、他に仕事を持っているか。

ミュージシャンの世界(そんなかっこいい仕事じゃないけどね)を想像してみてもらうといい。

食べていくのがやっとという感じ。

前に書いたかもしれないけど、ある生徒さんに「昔の占い師は当たった。今は、どの占い師に見てもらってもピンとこない」と言われて、「なるほど。そうなのかもしれない」と思ったりした。

昔の占い師っていえば、ビルの物陰で小さな椅子に座り、膝の上にブランケットをかけて、静かに本を読みながら、いつ来るともわからない客を待つみたいなイメージを持つ人が多いと思う。

日蔭の職業といった感じ。

力のある占術家の人も言っていた。

「昔はよかったよ。人を見るってことに集中できた。今みたいにビジネスライクな感じじゃなくてね」と。

本来は、地味な仕事なのだ。

しかし状況も随分変わった。

ネット文化が浸透してからは、携帯で「今日の運勢」「今日のタロット」のようなものをチェックすることができ、占いがごく身近なものになっていった。

TVの影響もあるだろう。

占い師という仕事にスポットが当たるようになった。

これは喜ばしいことなのかもしれない。

占いという仕事が、この前ブログに書いた「偏見」から解き放たれるきっかけになるのかもしれない。

そう思ったこともある。

でも、物事はそう単純ではないこともわかった。

ビジネス感覚がある人は、占いをどんどんビジネスにしていけばいい。

新しいアイデアを生み出す行為は、とてもクリエイティブだし、ポジティブな解決だ。

また時代を先読みする力は、あらゆる場面で有効的に働くはずだ。

そして、また占いの学習をすることも決してマイナスにはならない。

私の生徒さんが言っていたように物事を広い視野で見られるようになるし、いにしえから続く知識として、自然や宇宙と一体になる感じを持つことができる。

人間存在の矮小さを改めて意識するとともに、その中で個人の発展的な可能性を探ることもできる。

占星術を学んでいる人は博識の人が多いので、勉強していても楽しいはずだ。

けれど「占う」こと自体を考えてみると、人の運勢を鑑定することは、やはり決してビジネスにはなり得ないだろう。

労働に見合うお金をもらうことはできる。

優秀なら、大いに稼ぐこともできるかもしれない。

しかし「金儲け」感覚では、おそらく、どこかで必ず行き詰る。

私の知る限り、長く続けている占い師(占星術師でもスピリチュアル関係でも)は、この仕事を必然と感じているか、「人」をこよなく愛しているか、もしくは安定収入ではなく、日銭を稼ぐことそれ自体を楽しく感じられる人か…

まあ、どのような仕事もそれぞれの難しさがある。

もし、この仕事を続けていこうかどうしようか、自分に向いているのかどうなのかと迷っている人がいるとしたら、今は辛抱強く待つか、オリジナルの世界観で勝負してみるか。

または、他の業界にも触れてみるとか。

この前も書いたように、占いから少し距離を置いてみると、また違った占いの受け入れ方ができるみたいだね。

パワーストーン、アロマなどの民間療法、心理学、ボディーワークと、いろいろなこととコラボさせている人も多いしね。

私もまた、TVの企画をやってみようかと思っている。

連絡をもらったということもあるけど、ちょっとやってみたい企画があるのだ。

企画は「千三つ 」だから、労力的には身合わないのだけれど、リサーチしたり、インタビューしたりするのは趣味みたいなものだから、考えるだけでワクワクする。

そこで得た経験は、必ず今の占星術の仕事に活かされるのも知っているし。

なので、みなさんも仕事を限定せずに可能性を大いに広げていきましょう。

違った正解、違った視点が、占いのヒントになるかもしれないよ。