年末も山場を迎えた。
あと2つばかし山を越えればホッと一息。
生徒さんやクライアントと「良いお年を」と別れ際の挨拶を交わす。
何か心が温まる季節だね。
先日は、講座の中で生徒さんとお子さんのチャート読みをやった。
他の生徒さんがいる前で心理占星術をやるのは、なかなか覚悟のいること。
講座では、ちょいちょい生徒さんたちに、自分なりのホロスコープ解釈を披露してもらっている。
自己開示するのにためらいはあるかもしれないけど、客観的に自分を知る機会にもなる。
自分を語る行為は5ハウスの克服にもなるので、これからもできる範囲でやっていくつもり。
私のチャート読み講座では、人物像までかなり深くまで入り込む読み方をする。
父親問題、母親問題はもちろんのこと、チャートの持ち主の人格形成の進んでいく様子を理解していく作業に多くの時間を費やす。
月の発達年齢域の頃、どのような環境に身を置いていたのか。
水星期では、どのような考え方を身につけることになったか。
防衛や理想主義の作られていく様子を観察し、成長の物語と共に考えていくなど、クリエイティブな力を使って人物の核心に迫るのが目的だ。
だから普通に占星術を学習した人は、相当動揺するかもしれない。
そんなことまで読んで大丈夫なのだろうかと思う人も多い。
なぜ、私がここまで克明に読んでいるかというと、「金星と冥王星のアスペクトがあるから恋愛に執着するよね」とチャートを断片的に読み、クライアントの真の欲求や心の訴えから離れていくことを避けるためだ。
チャートの持ち主の人生に寄り添い、彼らの真の自己像に少しでも近づいてほしい。
よく講座中も話をしているが、そのように読んでいくと、どんな人物のチャートにも愛情を注ぐことができるようになってくる。
大袈裟な言い方だけど、「このチャートの持ち主は、私の生きなかった人生を生きてくれているのだ」という、なんとも不思議なつながりを感じることができる。
そういう気持ちになれれば、鑑定中に相手の反応に敏感になることができるし、相手の人生を丁寧に扱うことができる。
少なくとも相手を傷つけたりすることはないし、トンチンカンなことをアドバイスすることもなくなる。
私は、そう考える。
ただ、クライアントにホロスコープ解釈をどこまで伝えるかは、また別の話。
父親問題、母親問題にどの程度触れるか。
どのタイミングで触れるか。
どこまで深く理解し合えるか。
その辺は、一度のセッションですべてをクリアすることはできないことも多いので、手さぐりでゆっくり進んでいくしかない。
またクライアントのチャートを読んで、アプローチ法を変えることもある。
あまりに防衛の人、また水エレメント強調型の人には、いわゆる「支持療法」と言われている手法を取る。
多分、日本の占星術家は、このアプローチの方が浸透しているのかな。
これは感情をあえて掘り起こすことなく、不安を軽減することを主としたアプローチで、無意識的葛藤やパーソナリティの問題には深く立ち入らないことを原則としている。
相談に耳を傾け、助言、指導、安心感を与え、新たな生活目標を立てたり、環境調整し、目の前の現実に適応するのを助ける。
クライアントの話を共感的に聞き、感情の発散、浄化などを行い、失われつつある自尊心の回復を図ることもできる。
心の内面を探られることを極端に嫌がる人には効果的だ。
現場では、占星術の技術をどんなにもっていても、最終的にはコミュニケーション能力が重要だったりする。
これが多くの占星術学習者のジレンマになっている。
特に良く聞く声が、「天体の象徴を頭でわかっていても、それを実際、言葉にするのが難しい」だ。
誠実さが伝わればいいのだから、ペラペラやらなくてもいいけど、でもボキャブラリーを増やしておいても損はないかもね。
そういうのも含めて、私の講座では、たくさんしゃべって、たくさん意見を聞かせてください。