心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

ジェットラグの頭で思うこと

日本のみなさん!

元気ですか?

次はニューヨークで!と書いたけど、今、ホテルの部屋で時差ボケと戦いながらこれを書いている。

まばたきすると、そのまま寝てしまいそうなくらい眠い。

ここは、JFK空港から電車で10分くらいのニューヨーク郊外のホテル。

窓の外には、サブプライムな戸建が延々と続いている。

ちょうどオバマ大統領が「公正」というキーワードを8回使った演説をしたばかりだね。

ヒスパニックな街にいると、アメリカの格差拡大のムードがよく伝わる。

結局、今日は日付変更線とおぞましいイミグレーションと寒さと引っ越し疲れで、ニューヨークまで足を延ばす元気ナシ。

ニューヨークレポートは、また明日。

明日は、ニューヨークをちょっとだけ観て、そして夜からTYLセミナー会場に合流する予定。

ニューヨークは今回で4回目。

初めてのニューヨークは卒業旅行だったけど、あの頃はスラム街が存在し、地下鉄は薄暗く、今よりもずっと格差な感じだった。

あの頃の私は生意気で、そしてシネフィルだったので、かなり気張ってディナーにロシアン・ティー・ルームなんかを予約したりしたけど、ウエイターの日本人の小娘に対する扱いはひどいものだった。

今のニューヨークは、外向きは美しいメトロポリタン。

そして、貧困層は郊外へと追いやられた。

これがアメリカの光と影。

光と影と言えば、今回はアメリカの心理治療家ジェイムズ・ホリスの「影の心理学」という本を持参した。

大江健三郎は「旅には読みなれた本と読みかけの本を持っていく」と書いているが、私の場合、いつも旅には彼の「新しい人よ目覚めよ」もしくは「僕が本当に若かったころ」のどちらかを持参する。

この2冊はエッセイなのだけど、ちょっとした待ちの時間に1章、バスタイムに1章という感じで気軽に読む。

いつも必ず最後に泣かされる、私にとっては大江の最高傑作。

でも「TYLセミナーに大江じゃね…」ということで、この本を持っていくことにした。

私の講座では、「シャドウ」の話が度々出てくると思うが、この本はユングの解釈をものすごく一般的(かなり軽い感じ)に解説しているので講座に使いやすくて気に入っている。

でも気に入ってる理由はそれだけではない。

彼は、心理学の意義をまるで占星術師のような鑑定で説明している。

つまり、彼の思考は占星術的なのだ。

こんな感じ。

「日常生活の複雑さを誠実に探究するためには、多様性に満ちた人間のこころを純粋に観察することが求められる。個人のこころを探求すると、必然的に世界各地のあらゆる集団のこころの動き、ひいては宇宙のイメージに見出せるこころの動きを発見することになるだろう。(略)ほとんどの人は自分自身のこころが宇宙のイメージに映し出されていることを考慮しない。この問題を考慮するためには、複雑かつ多様な人間のこころが非常に多層的(個人的、社会的、宇宙的)に展開していることを認識する必要があるだろう。身近な個人的レベルから出発して、社会的、歴史的、宇宙的レベルへと輪を広げていき、それから個人的なレベルへと戻ってくる」

これは月から火星までの個人天体、木星土星といった社会天体、それを超えた集合意識の外惑星のエネルギーを考える上でも重要なことだ。

個人の成長と、そして社会や時代の作り出す動きは決して矛盾することはない。

むしろ連動して動く。

これが「上昇と下降は同じ道」と言われるゆえんだ。

と、まあ心理占星術が誕生した歴史的背景はいろいろだが、私はやはりトランスサタニアンの発見というのが大きいと考えている。

もう、ひとは一筋縄ではいかない時代を生きているということだ。

そいうことも踏まえながら、TYLセミナーでは新たな視点を育ててみたい。

みなさんもいろいろ読んだり、考えたりしてみてください。

《追伸》

Hさん。タイミングのいいメールありがとうございます。

講師デビューの件、うれしい限りです。

あと、「nico文庫」の命名ありがとうございます。

ニコちゃん大王みたいな語呂に大満足。

早速、使わせてもらいます。

帰ったら、またゆっくり話を聞かせてください。