心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

me choose!

ティルの考案したメソッドは、私がそれまで学習してきた占星術の常識を覆すような、または一新するようなものが多く、私は一気にそこにのめりこんでいった。

しかし実際は、ティルのそれをしっかり理解するのは難しい。

心理学的アプローチで作られたロジックが多く、なぜ?どのように?を自分で埋めていかなければならない。

おそらくティルの本を手に取った方も、そのロジックの扱いに手を焼いている人も多いことだろう。

私は講座を通じて、その理解をサポートする手伝いをしているわけだけど、一度理解すればそのシンプルさに驚くはずだ。

あとは繰り返しチャートを読み続けていくのみ。

私が目からウロコだったティルの天体の象徴の捉え方のひとつに、天王星水瓶座がある。

大抵の日本の占星術の教科書には、天王星水瓶座は、おそらく「変わり者」「個性的」「反抗的」「あまのじゃく」といった、かなりとんがった感じのボキャブラリーが並んでいると思うが、水瓶座新月生まれの私としては、なんとなくそれに違和感を感じていた。

そんな時、ティルの欲求理論と出会った。

ティルは、水瓶座の月を持つの人々に「いつも助けてくれてありがとう」と言ってあげると、水瓶座の月は充足すると言っている。

一緒に学習していた仲間は意外そうにしていたけど、私は「そう!その通り!」と喜んだ。

水瓶座は、いつだって「他」に対する意識が働いている。

私の講座中によく例に出す「走れメロス」、あれは水瓶座の物語だ。

友情の物語だというだけでなく、「友人を救うため」という大義が原動力がテーマになっているということが水瓶座的。

それが水瓶座の持つ力だからだ。

その理論が11ハウスの「承認されたい欲求」へとつながっていく。

水瓶座がチンタラして見える時は、何か頼みごとをしてみるといい。

よほどのことがない限り、彼らはNOとは言わない。

だから天王星水瓶座は、ティルによれば「人々を手助けするエネルギー」を持つということ。

それが職業になるとソーシャルサービスなど裏方的な仕事になるわけだ。

天王星水瓶座の力を持て余しているという人がいたら、試しに人助けをしてみてほしい。

「ありがとう」という言葉をもらえれば、社会参加をしているという誇りや喜び、存在価値を感じることができるはずだ。

それ以外にも天王星水瓶座の象徴も存在するわけだけど、今回のセミナーでキャシー・ローズがそれについて多くのことを語ってくれた。

天王星がとりわけ強調されているチャートでは、「自己選択」ということが非常に重要になってくるという。

天王星的人物は、あらゆることを自分で選択したいという欲求を強く持つ。

「私の選択」「私の選択」「me choose!」

私の人生のあらゆる側面を私の色で染めたいということだ。

少し前になるが、(私は観ていないのだけれど、観たという友人によると)ハーバード白熱教室でサンデル教授がアメリカ人と日本人の違いとして、「選択の意思」があるということについて話していたという。

アメリカ人は、朝起きてから夜寝るまで、あらゆることを自分の選択で行っているという意識がある一方、日本人は選択を無自覚に行っているらしい。

朝、会社に行く前にスターバックスに寄り、デカフェにするかキャラメルマキアートにするか…そういう些細な事柄に対しても、アメリカ人は「自分の選択により決定した」という感覚があるんだって。

まあ個性化が重要なアメリカは、国全体がme choose!天王星的なのかもしれないね。

もちろん選択には責任も伴うわけだから、天王星水瓶座の前には、土星山羊座の体験がある。

それが抜け落ちると、あまのじゃくで反抗的といった水瓶座の残念な面が出てくるわけだ。

自分のチャートを見て、天王星が優勢に働いていたら、是非「私の選択」を意識してみて。

自ずと、自信と責任感が生まれてくるはずだ(私がそうであるように)。

※もし「私の選択」に無自覚で、そして周囲に水瓶座の友人、知人が多い場合、それは天王星的エネルギーを他者に投影している可能性がある。よって、意識的に「私の選択」を行うこと。

とにかく、天体、サインの特徴をあまり字面通りに捉えず、想像力や経験値、観察力を使い、ホロスコープの構造から導き出すような訓練をすることが大切。

日本の教科書に載っていることの多くが、しっかり機能していない太陽サイン的な意味合いが含まれているので、そこも加味して考えてみる必要があるかもね。