心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

人の理想主義を笑うな

ティルのホロスコープ解釈の中に「理想主義」というものがあるが、ティルはそれについてあまり多くを説明していないので、何がどう働くのか、わかりづらく感じる人もいるかもしれない。

理想主義というのは一種の防衛機制のひとつだということは、以前このブログを通して書いたこともあるので、その占星術的な働きはそちらを参考にしてもらうといい。

今日は、では理想主義は日常的にどう働いているのか?というのの一例を簡単に紹介したい。

私も強い理想主義の配置を持っているのだが、自分のそれを棚に上げて(反省も込めて)言わせてもらう。

何せ人の理想主義というのは傍から見ていると、なんとも滑稽で時に痛々しい。

私の腐れ縁の友人の例をあげると、数年前、やや大きな地震があり、私がそれを非常に怖がっていたら、「オレは地震があると、もっと大きくなれって思ったりするよ」などとうそぶいていた。

それが311の時、誰よりもビビって「もう地震は嫌だ」と大騒ぎしていた。

私は、これこそが理想主義の現れ方だと思っている。

ちなみに彼は、水瓶座に太陽、水星のコンジャンクションを持ち、金星と海王星のスクエアが形成されている。

立派な理想主義だ。

理想主義の人々は、自分は例外的に現実をうまく乗り越える力があると考えたりする。

彼らは自分がちゃんとできている、ちゃんと対処できていると信じる。

けれど、他人の目にはそうは映っていないことが多い。

他人の考える「できている」からは程遠く、とても危なっかしい感じの印象を受ける。

けれど、彼らはそれに気付かない。

自分は大丈夫。

それが彼らの理想主義だ。

だから、楽観的なセリフを多用する人には要注意だ。

彼らは現実からかけ離れた、自分にしか通用しない「うまくいく世界」に住んでいる可能性がある。

そして行きつく先は、パラレルワールドみたいにこちらの世界と交わることのなく存在する、忘却の果ての国かもしれない。

「せっかく能力があるのにもったいない」

などということを言われたら、自分の中の理想主義を疑ってかかってみるといい。

理想主義は、想像力やポジティブなエネルギーなど一種の能力でもあるので、芸術やビジネスに昇華できることもある。

ひょうたんから駒みたいに、理想主義が大きく花開く可能性は大きい。

でも、「もったいない」ということは、それを現実化する力=土星が働いていないということ。

つまり、理想と現実にギャップが生まれていることになる。

また、過去の栄光や若さにしがみつくとかも、ある種非現実的な感性。

とにかく、現実でないものにしがみついているとしたら、それも理想主義の現れということか。

これを避けるにはどうしたらよいのだろう。

マイケル・ジャクソンの時期読みの時に「この時、マイケルがせめて周囲の人のアドバイスに耳を貸していたらね」と私はよく説明する。

そう。

理想主義は自己防衛の一種なので、人のアドバイスに耳を貸すことを非常に恐れる。

なぜかというと、人の意見を聞くと言うことは、自分の非を認めるということになるからだ。

成功している人を観察するとわかると思うけど、彼らは一様に素直に人の意見に耳を貸す。

そして、それを素直に実行に移す。

理想主義を切り崩すには、他者の視点をより多く取り入れることが非常に重要だ。

他者というのは、つまり自分には見ることのできない客観的な事実、現実だからだ。

占星術的にいえば、スクエアやオポジションの感覚というのだろうか。

もちろん世の中は、悪意あるコメントも多いので判別することは必要だ。

ただ、仲のいい友人、経験豊かな人からであったり、また愛情のあるアドバイス(この辺は判別は難しい。支配欲などによるコメントもあるかもしれない)であったら、やっぱり素直に耳を貸すことは必要かもしれない。

頑なさは、損をすることも多いしね。

とにかく、常に現実&少し先の未来に標準を合わせて、フレキシブルに自己を整えるようにするといいね。

熟成したものには、お子様にはわからない、大人のほろ苦い味わいがあるよね。