心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

エレメント考察

今日の講座では、生徒さんの希望で春分図や新月図などを読んだ。

地のグランドトラインが圧倒的な最近のチャートだが、皆さんそれぞれ、株価が1万円台を回復したとか、ガソリン代が高騰したという経済的な側面だけではない、個々人の面白い見解を披露してくれた。

こういうチャートを読む際、個人の人生観や得意分野が非常に色濃く反映される。

占星術の象徴とは不思議なもので、どのように読んでもそれぞれが正しく、そして曖昧模糊としている。

そんな時、地震が起こった。

最近は、もう落ち着いて予測もしていられない。

未来は不安に満ちている。

震災後の番組の中で、印象的な言葉を聞いた。

宮城県の防波堤の建設に携わった人が、津波が漁村に襲いかかる様子を見ながら叫んだ言葉。

「我々は、信じるものに裏切られてしまった」

この言葉こそ、今の時代を言い表す言葉ではないだろうか。

私たちは、信じるものに裏切られる可能性を秘めた時代を生きている。

この辺は、海王星の象徴とも言えるかもしれない。

先日、私は地のグランドトラインの象徴を、がれきの受け入れ拒否という防衛的な傾向と読んだ。

別のエレメントの補完関係からも、この問題を考えることができる。

風と水のエレメントの関係だ。

風は論理性、平等、公平、客観性を重んじ、水は感情、情感、親しい人々との安心感やつながりを重要視する。

ここから風エレメントは、がれき問題に対し「東北の人々にだけ負担をかけるわけにはいないない」と主張し、数字とその正当性を考える。

それに対し、風の極性としての水エレメントは、「私たちの暮らしはどうなるのか」と家族や地域の安心できる環境を守ろうと戦う。

風エレメントは水を主観的で思い込みが激しく、感情的だと非難し、水エレメントは風を冷淡で理解力がなく、そして外面が良いと心を閉ざす。

お互い、自分たちの劣勢機能に気付かない。

これは、ネイタルチャート中のエレメントの数で決まるものではない。

劣勢になっている機能は、過剰補償という形で極端に補われることもあるし、支配星の状態によってもニュアンスの表出の仕方は変わる。

今日の講座でも、過剰補償がテーマになった。

ひとりの生徒さんは風エレメントが全くなく、水エレメントが顕著なチャートであるにも関わらず、そのアンバランスさを補うかのように、見た目には常に論理的で冷静なタイプとして振る舞っていた。

ネイタルチャートには、水エレメントの天体が窮屈そうに配置されている。

みなさんも、自分のチャートから少し離れ、火と地、風と水、それぞれのエレメントの関係性を考えつつ、自分の優勢機能、劣勢機能を考えてみてほしい。

ある物事に対しては火が優勢、この事象には水が劣勢というように、様々な出方をするのが見える。

それにより、自分の考え方や振る舞いのパターンから脱出する方法が見つかるかもしれない。