心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

時代を映す 心を映す

「家庭の医学」の講義の後、二宮講師がこんなことを言っていた。

科学の進歩が、東洋医学の解釈の幅を広げてくれた。

古典からは考えられないほど、豊かに医学の知識を広げることができるようになった。

これは、そのまま占星術にも当てはめることができる。

天文学など自然科学の分野の進歩のおかげで、太陽系の構造、各天体の構成やそれぞれの軌道や運行などの理解、小惑星の発見など、私たちも様々な恩恵を受けていることは間違いない。

しかし、そのせいで占星術の解釈も複雑化してきていることも、また事実。

今日の講座で生徒さんが、「先日春分図を読む会に参加したけれど、誰一人として納得できるような解釈をしてくれる人はいなかった」などと言っていた。

国民の意識が細分化、多様化していると言われる時代。

価値観の変化も著しい。

そのため、「これだ!」という限定的な解釈が成り立たなくなっているのかもしれない。

または、誰も自信を持って未来を読むことができない、そんな混沌とした時代なのだとも考えられる。

マンデンだけではない。

ネイタルチャートもまた、時代に沿うよう日々解釈を更新する必要がある。

先日、幼稚園の子供たち一人一人にipadが配られ、遊戯の時間はそれで写真を撮るというニュースをやっていた。

確実に子供たちは、私たちとは違う視点で世界を見ている。

普遍的な原理を追求しつつ、時代の感性を枯らさないようにする。

象徴を解釈するということは、やはりとても難しい。

占星術を学習するにあたって、私にとっての戒めの言葉がある。

ユングの言葉がそれだ。

「象徴を理解しようとするとき、われわれは象徴それ自身と対決するのみならず、それを産出する個人の全体性と対決させられるのである。直観を事実に対する確実な知識やその論理的な関連づけまでに還元した人だけが、それについて説明して、知ることができる」

象徴を汲み取る作業は、自分と向き合うことでもある。

暗記して丸覚えするものでは決してなく、符合するまで検証する必要がある。

だから、果てしのない作業なのだ。

また、ネイタルチャートの理解を深めるにあたっての戒めの言葉もユングから拝借。

「われわれにできる最上最善のことは、せめてこうした他者を予感し、尊敬することであり、他者を解釈してやろうという力づくの愚行を戒めることである」

人の心は、こちらの心の反映である。

相手からのフィードバッグに注意深く意識を向けることで、また新たな理解が生まれるかもしれない。