心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

心理占星術とは何ですか?

という質問をよくされる。

このブログでも心理占星術について、いろいろなアプローチで説明しているけれど、やはりよくわからないという人が多い。

実際、心理学の領域はあまりに幅広い。

心理学の対象は、脳と社会の間に広がるものを想定している。

脳と心理過程の関連を扱う神経心理学、社会と心理過程を扱う社会心理学というのがあり、その間に心理学の諸領域が多々成り立っている。

臨床心理学、教育心理学進化心理学発達心理学文化心理学、コミュニティ心理学、認知心理学等々、脳と社会の間に広がる様々な心理的状態を行動・意識・脳という3つの面からとらえていく。

心理学は学問である故、ひとりの人間に100%説明のつく理論などあるわけがない。

できる限り多くの人に当てはまる普遍的な理論を研究していくのが学問というものだ。

いくつもの理論を複合し、総合して理解しないと、ひとりの個性という複雑そのもものあり方を解明することは難しい。

心理学の研究法は、実験法、観察法、面接法など様々なものがある。

いろいろなアプローチをし、心の法則を組み立てていくのがその目的だ。

心とは取り出して、見て、触って、実感できるものではない。

心に簡単な法則などないからだ。

心の振る舞いを見つけ、そこから規則性を取り出し、観察するといった統計的方法が不可欠になる。

ここに心理学の難しさと醍醐味がある。

心理占星術はホロスープというマンダラを使って、心の振る舞いや規則性をいとも簡単に理解することができる。

ノエル・ティルはよく、「心理カウンセリングなら3年かかることを、私は10秒で証明できる」とうそぶいたりしているが、ホロスコープを用いればそれは可能だ。

幼少期からの物語、陥りやすい振る舞いのパターン、恐れや劣等感、希望や救いのポイントまで、ある手順を踏まえ、ホロスコープとじっくり向き合えば、個人の心理的背景が立体映像のように浮かび上がってくる。

けれど、難しいのはここからだ。

問題が見えたとしたら、ここから個人をどう引き上げていくのか?

どうアドバイスをし、どう導いていくのか?

トランジットやソーラーアークで個人の現状を探るか。

それともネイタルチャートを徹底的に検証し、より良い方向性を提示するのか。

ホロスコープを解読したら、そこからはクライアントとの共同作業しかない。

ここからは、もう占星術の知識はあまり役に立たないだろう。

クライアントの提示するヒントから、多くの情報を引き出していくというカウンセリングテクニックは、どうしても必要になってくる。

クライアントが多用するボキャブラリーからヒントを得ることもある。

昔、コンサルテーション中に「演じる」という言葉を頻繁に使い、自己を分析するクライアントがいた。

「本当の私はここにはいない」という訴えだ。

そういうささやかなヒントから、問題解決の糸口を探すことも多い。

一回のコンサルテーションで成果が出ないこともあるし、劇的なドラマがないことのほうが多い。

それでも、やはりホロスコープという心のレントゲン写真を参照できるという強みは、心理カウンセリングより勝ることは間違いない。

それが心理占星術のすごさだ。

きのうも講座で「人の人生は素晴らしい」と生徒さんからのコメントがあった。

本当にそうですね。

今、多くの人が停滞感を強めている。

日々、気持ちが大きく変化するという声を多く聞く。

それは果たして、時代による不安だけなのだろうか。

それとも、個人的な心理的情動がそれに連動して揺れているのではないだろうか。

そういう微細な心の動きも、恐らく、ホロスコープなら捉えることができるかもしれない。