心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

トランスサタニアンと共に生きる

最近、私があまり「中年の危機」の話ばかりするから、まだ年若い生徒さんらが「年取るのがむちゃくちゃ怖いんですけど」とか言い始めた。

他でも「中年の危機」を話題にしているのを聞いた。

引き続き、研究は続けていくけれど、そろそろおおっぴらに言うのはやめよう。

脅しているわけじゃないんだけどね。

中年の危機は、人間臭い、非常に人間臭いテーマなんだけどね。

そんなこんなで、ここ数日、考えさせられることがたくさんあった。

多くの人から、様々な意見を聞かせてもらう機会にも恵まれた。

特に、きのうのYさんとの会話。

それから、私はすっかり「考える人」モードになっている。

私に強い影響を与えるのは、いつも年上の人だ。

彼らは、「経験の目」からスバリと核心をついてくれる。

25歳の私に「まだ自分の言葉で話していない」と伝えてくれた年上の友人。

先日の「被害者になるな」と言ってくれた恩師もそう。

だから私は、年をとることに抵抗がない。

成熟とは、老いではなく可能性なのだと教えてくれた人たちが、私の前にたくさん存在しているからだ。

可能性をつかむか、それに蓋をするかの瀬戸際に立たされる。

それが中年の危機だ。

人生を通して、私はたくさんの中年の危機を目の当たりにしてきた。

もちろん私だって、トランスサタニアンに揺さぶられ続けている。

今、それを言葉にしようとしても、どうしてもうまくいかない。

少しも本質に触れられない。

トラブルに巻き込まれて、会社を辞めざるを得なかった。

夫が浮気をし、精神的に不安定になった。

倒産して、家族とも離婚した。

何もかもがどうでもよくなり、人生を投げ出したくなった。

妻がうつになり、人生がままならなくなった。

人が持っているものを自分は持っていないことに気づき、途方に暮れた。

子育てに疲れた。

本当に挙げればきりがないほど、数多くの「中年の危機」がここにある。

けれど、それは単に目に見える現象でしかない。

中年の危機というのは、実際、こころに働くものだ。

なぜならトランスサタニアンとは、こころの奥深くに直接コンタクトするエネルギーなのだ。

だから、言葉にするのは非常に難しい。

忙しくしていると、忘れてしまうほどの微かな変化。

けれど、いつもそこにある不安。

埋めることのできない、こころの空洞化。

誰かに聴いてもらおうとしても、どうしても核心にたどり着けない。

それが結果、人を孤独に向かわせ、そしてここで初めて、自分のこころとコンタクトすることになる。

私に多大な影響を与えた人たちは、この時期に何らかの苦しみに遭遇している。

それが、彼らの人間性に美しさを与えているのは言うまでもない。

本望ではない人生を生きつつ、抵抗できないほどの渦に巻き込まれても、やはりそれは自分の人生なのだ。

外からの圧力が高まり、過去のいまわしい記憶が新たにされ、自分の進むべき道が一時見えなくなったとしても、人生を生き続けることにこそ意味がある。

なぜなら生還した後、人は自分が思っている以上に深みを増しているからだ。

このようにトランスサタニアンは、人に深い彩りを与える。

普遍性=天王星や、一体感=海王星、こころの調整=冥王星を行い、味わいのある感性を育てていく。

そんなふうに乗り越えられたら、きっと後世に少しでも影響を与えられる「おとな」へと進んでいくことができるかもしれない。

とにかく天体云々なんて関係なく、その時の感情を味わい尽くすしかない。

それが象徴の理解につながるだろう。