心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

兄弟問題について

私の生徒さんは、きっと聞き飽きているだろうテーマのひとつがこの兄弟問題。

双子座、水星、3ハウスについて言及するとき、必ず、この問題を大きくピックアップする。

実践でも、それがテーマになっているチャートをよく使っている。

今日の講座もそう。

みなさん、「またかよ!」って感じだよね。

では兄弟問題とは、一体何だろう。

両親の問題と何が違うのだろう。

両親が象徴的に太陽と月で示されているとしたら、心の安心や感情の安定、または自己像の育成に関わるのが、両親の問題の主要なテーマということになるだろう。

人と親密な関係を築けるかどうか、不安なく新しい環境に飛び込んでいけるかどうか。

または勇気や自信を持って人生を築き上げていけるかどうか、自己の人生に責任を持つことができるかどうか。

自己の基盤を形成するのが両親との関わり合いだ。

では兄弟の問題はというと、やはり双子座=水星=3ハウスで示されている通り、まずコミュニケーションの問題、考え方の問題、学習能力の問題などにかかわってくることが予想される。

水星期は、学習能力を高め、雑多な関わり合いの中での競争力やコミュニケーション能力を高め、そして自由に考える力を養う。

この「競争原理」という点が兄弟問題では、特に重要になってくるだろう。

よく長男長女の性格は、末っ子の性格はなどと話題になっていると思うが、それが実は根深い問題として人生に影を落とすもだったりするのだ。

同世代の兄弟とは、常に戦いだ。

子供は両親の愛を獲得するために、知らず知らずのうちに様々な知恵をしぼる。

長男は、弟を圧倒的な力でコントロールしようとするかもしれない。

それは最愛の母親の注目が、常に弟に注がれることを良しとしないせいだ。

長女は愛想もよく、要領のいい妹に嫉妬心をむき出しにし、無意識に妹に意地悪をする。

両親の賛美を勝ち取らないと、自分の立場が危うくなるせいだ。

逆の場合もある。

生まれながらにして体が弱いなど、問題を抱えた兄弟に対して、残された兄弟は我慢や遠慮を余儀なくされる。

言いたいことも言えず、誰にも相談できず、「出来のいい子供」として両親を満足させる役割を背負うことにもなるだろう。

出来のいい上の子、出来の悪い下の子。

問題の多い上の子、問題が少ない下の子。

好き勝手に生きる上の子、尻拭いをする下の子。

例を上げたらきりがない。

親はこのようにレッテルを張り、その役割を固定する。

それが「固定観念」となって、その後の人生に大きく影響を与えていく。

シャドウのように兄弟と似た相手を引き寄せることもあれば、抑圧的に自己を葬ることもある。

兄弟の問題が後々、対人関係の問題へと反転していくだろうことは想像に難くない。

大抵は、兄弟との関係性で出来上がった人格として、周囲の人と接していくことになる。

ホロスコープ上では、3ハウスに傷があると、7ハウスにもそれが影響しているのを見てとれるだろう。

しかし時に、固定された兄弟間の関係性が大きく変化する場合がある。

昔、松田優作主演の映画に「家族ゲーム」というがあったが、その映画はこの逆転をうまく表現していた。

出来の悪い弟の成績アップのため雇ったのが、松田優作の役となった傍若無人の家庭教師。

彼のスパルタにより、弟の成績は一気に上昇。

その反面、優等生として両親から期待されていた兄は、抑圧されていた欲望を爆発させ変貌していく。

このようなことは、家族の中では隠しておきたい出来事として扱われる。

しかし、このタイミングこそ、家族関係の理解を深める上で大切な時期となるのだ。

誰も役割など与えられたくない。

ただ「私」でいたいだけなのだ。

それができなくなっているとしたら、ひょっとしたら3ハウス関連の物語が鍵を握っているかもしれない。

もうじき、木星は双子座に入る。

兄弟と疎遠になっている、煩わしい、気苦労のもと、そんな問題を解決するにも、この木星は一役買ってくれるかもしれない。