心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

ビーナストランジットの日に

坂本さんから電話をもらった。

以前、このブログでも取り上げたことがあるので覚えてくれている人もいると思うが、坂本さんとは児童養護施設出身の元プロボクサーで、現在は全国の児童養護施設で生活する子ども達を支援するために「こころの青空基金」の活動している坂本博之氏のこと。

養護施設出身の若者の受け入れ先としてオープンさせた坂本さんのボクシングジムに、私があんまり長いこと顔を出さないから心配して連絡してくれたのだという。

震災直後の私は、「こんな時、何の役にも立たない自分」に完全に打ちのめされ、坂本さんに会う勇気がなかった。

それから随分、ご無沙汰してしまった。

2010年5月からの約半年間、TVの取材のため、私はほぼ毎日坂本ジムに通っていた。

ボクシングジムにも入会し、児童養護施設にも同伴させてもらい、坂本博之という人物に日々魅了されていた。

収入も安定せず、私生活もうまくいかず、それでもあれほど純粋に人と仕事に打ち込んだのは久しぶりで、夢中になって坂本さんの言葉を追いかけた。

彼の忘れられない言葉はいくつもあるが、その彼の言葉が、震災後の私を打ちのめしたのだった。

だから、私はその日が来るまで坂本さんに会うことができなかったのだと思う。

彼は、「こころの青空募金」に寄付をする人を前にすると、いつも「まずは自分のことを助けてあげてください。そして自分の家族を助けてください。それから私たちに協力してください」と言っていた。

自分を助けられない人は、人を助けることができない。

当たり前のことなのに、人はこういうことをいつも忘れてしまう。

特に、身近な人に対しては。

震災後の私といえば、仕事も落ち込み、とても人を助けられる状態ではなかった。

「いつか一人前になって、また子供たちの笑顔をみたい」という気持ちで、何とかここまで生き延びてきたというところだ。

私たちも人を助ける仕事をしている。

では実際、しっかり自分のことを助けることができているだろうか。

また、いちばん身近な家族のことをケアする事ができているだろうか。

松村先生の著書「ヘリオセントリック占星術」の金星の説明の中に、「ヘリオセントリック占星術の金星は奪うことのない与える作用の金星ですから、誰かに助けてもらわなくてはならないということはありません」とある。

「愛がほしい」「お金がほしい」「満たされたい」

そう思っているうちは、恐らく何も手にすることができない。

これが私の考えるビーナストランジットだ。

8月には金星蝕が起こる。

このタイミングは、金星の書き換えにとっては重要だろう。

まずは、自分を助けること。

そして身近な人に与えること。

それができた後、金星はもっと広い世界に向けて、愛と優しさを届けることができるはずだ。

坂本さんからの電話で、そんなことを考えた。

そろそろ、またボクシングでも始めてみるか…

坂本語録は本にもなっている。

興味のある方は是非!

「運命」を跳ね返すことば (講談社プラスアルファ新書)「運命」を跳ね返すことば (講談社プラスアルファ新書)
(2011/04/21)
坂本 博之

商品詳細を見る