心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

コンサルテーションと金星の逆行

子供の頃、私は大人たちの打ち明け話を聞くことが多かった。

初恋の人からプレゼントされた島崎藤村の詩集を、ボロボロになってもなお大切にしている叔母の恋。

祖母の生まれ。

夫に秘密の趣味の話。

母の心の傷。

父の悲しみ。

普通の人々の、ごくありきたりな話が、私の原風景の一部となっており、今の私の仕事につながっている。

この仕事に就くまで、そういったことを私は思い出すこともなかった。

けれど今は時々、鑑定をしながら、ふとどこかで聞いたことのある、ある大人の話を思い出すことがある。

私が水瓶座強調だからかもしれないが、コンサルテーションをしている時、誰もに共通する「普遍的な物語」について、いつも強く意識している。

過去の、そのまた過去の、その過去に降りていけば、何か答えのヒントが見つかるかもしれないと、その記憶の水脈をたどっていることがある。

この方法が正しいのかどうかはわからないけれど、このようなアプローチを取っている自分を発見する。

金星逆行も影響しているだろうか。

最近のコンサルテーションは、そういった「いつか見た心象風景」に当たることが多い。

ユングの集合無意識的な象徴とは、また違うものではあるが、私は「私の中に答えがある」と子供の頃から考えていた。

それが「普遍性」という言葉で表わされるものだということは、だいぶ成長してから知った。

でも、そう簡単には片付けられない、様々な例外があるということも大人になってから知った。

その葛藤と模索が、私にとっての30代だった。

子供を生んだ人。

恋人と結婚した人。

会社を興した人。

念願だった海外留学を果たした人。

そういったコンサルテーションでの成功例がある一方で、

「縮小したほうがいいですよ」という忠告を聞かず倒産した人。

一押しの相性だった相手と離婚した人。

物事が思ったように進まなかった人。

など、残念な報告例もある。

もしかしたら、2度と会うこともない人たちも大勢いるだろう。

それでも私の中では、誰に対しても同じ思いを持つ。

彼らは、私の生きていない人生を選択した人たちかもしれないと。

だから、私にとってコンサルテーションは、いつだって重要なのだ。

あと数日で金星の逆行が終わる。

逆行期間中、私は金星に関する様々な忘れ物を取り戻していたような気がする。

親しい人たちが夢にたくさん登場した。

アンコールワットの赤土の道をバイクで走りぬけた旅を、繰り返し、繰り返し思い出したりもした。

それらの一片がコンサルテーションと重なることに驚いたりもした。

私にとって、幸福な期間であったことは間違いない。

これからは、また未来向きの楽しみや対人関係を育んでいくことになるだろう。

次の逆行、2013年の12月23日まで、こういった楽しみは取っておかなければならない。

今から待ち遠しいけれど。