心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

さなぎから蝶に 冥王星のASC通過

最近、やたら蝶が気になっている。

おとといもパーティーグッズを買いに東急ハンズに行った時、蝶の標本の前に30分くらいいた。

その理由は、冥王星のせいだ。

恐らくトランジットの天体配置の影響だと思うが、ここ1か月、冥王星がテーマのコンサルテーションが続いていた。

コンサルテーションチャートのASCが蠍座だったり、ホロスコープでも冥王星の配置が顕著だったり。

その中でも、やはり大きな変化となるのは、ASCの冥王星通過だ。

このタイミングは、まさに変容、または脱皮の時となることはイメージできるだろう。

さらなる成長のため、あるべき姿に向かうため、今まで身につけていた皮を脱ぐ。

脱皮を行なわなければ成長も行なわれない。

脚を失った際、甲殻類などは再生が行なわれるが、脱皮を経なければ外形の再生は行なわれない。

また脱皮は体表面だけでなく、気管や消化管などの表面にまで及ぶ。

しかし、脱皮の失敗は死に及ぶこともある。

脱皮の際、他の固体から干渉されたり、襲われたりして命を落としたりする。

死ぬことを免れても、羽が変形したり、内臓がむき出しになり、やがて生命力を奪われていく。

変容というのは、命懸けのものなのだ。

冥王星のASC通過も、それと同じ体験になる。

実際、死に直面することは少ないかもしれないが、「心理的な死」を体験することは起こる。

心理的な死」とは何かというと、つまり「個性化」「あるべき自己の姿」を手に入れることに失敗するということだ。

冥王星のトランジットのエネルギーは、他者との関わりの中で体験することが多い。

そこで他の個体から干渉されたり、襲われたりする体験をし、自己の本来の生命力が減退する。

生命力とは、つまり太陽=自我=自分らしさ=目的意識=創造性が奪われるのだ。

ホロスコープでは、太陽が力を発揮できなければ、太陽系の天体群はコントロールできない。

なぜなら、太陽の重力が太陽系を支配しているからだ。

そうなると月、せめて水星、金星しか機能せず、残りの天体エネルギーは他者からもたらされるか、他者に投影されるかする。

そうして、自分は住み慣れた環境にとどまり、小さく生きていくしかなくなるのだ。

私はこれを「仮死状態」と呼んでいる。

もしかしたら、何かのきっかけで太陽が刺激を受け、自己を取り戻すことができるかもしれない。

けれど、それまでは人に怯え、人生に怯え、運命に怯え、被害者になるか被害者的な加害者になるかだ。

冥王星は、敵ではない。

自己の恐れが敵を生みだしているにすぎない。

冥王星のトランジットは、必ず他者への理解を要求する。

自分のものさしにしがみついていると、視野を広げようと冥王星は強引にこころをこじ開けようとするのだ。

抵抗すればするほど、その変容は難しいものになる。

本当に断絶するしかないのか?

理解し合えないのか?

相手は、本当に悪者なのか?

その恐れはどこから来るものなのだろうか?

相手を合わせ鏡とし、自分のこころを見つめ、さらに奥のこころに触れ、その気づきを待つ。

そのゆっくりとした進み行きが、やがて深い理解となり、それが変容の体験となる。

絶対に、こころを閉じないように。

それだけは絶対に。

先日、原宿を自転車で走っていたら、青い蝶が並走してくれた。

午前中にASC冥王星通過のクライアントのコンサルテーションをした直後だった。

彼女がさなぎから蝶に変わることを確信し、とてもすがすがしい気分になった。

東急ハンズで売っていたこの蝶。

値段は3000円。

死んだものを手にするのってあんまり好みじゃないけど…もしかしたらそのうち、北参道の教室とかに飾ってあるかもしれないよ。

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