心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

新しい人よ眼ざめよ

とは、大江健三郎のエッセイの題名だが、今日オスプレイのニュースに対し、あるキャスターが「今まで私たち日本人は、あらゆることに見て見ぬふりをし、多くの問題をやり過ごしてきた。しかし、もうそろそろ目覚めなければいけないときなのではないか」と言っていた。

目覚めの時。

これも天王星冥王星のエネルギーといっていい。

原発事故調といい、いじめ問題といい、いよいよ真実が白日の下にさらされようとしている。

現実から目をそむけることなく、私たちひとりひとりが目覚めなければならないのだ。

大江健三郎は、バリ島の民族についての哲学者Nさんの言葉として、こう書いている。

「…このような魔女ランダの性格づけのうちには、邪悪なものや人間の弱さをただ切り捨てたり抑圧したり無視したりせずに、むしろそれらを顕在化させ、解き放ちつつ祭り上げることによって<パトス>(受苦、情念、受動)から自己を守るとともに、文化に活力を与えるバリの文化の絶妙な仕組みが隠されている」

なるほど、これも天王星冥王星的なセリフだ。

過去に私たちが、それぞれ何を切り捨て、抑圧し、無視したかは、もうどうでもいいことだ。

けれど、これから私たちは、それぞれ断絶したものをつなぎ合わせ、新しい世界を創っていく必要がある。

オリンピックが始まり、日本がひとつになれる時こそ、または「毎日暑いですね」と互いに言葉を交わし、心を開放的にすることができる今こそ、未来へのつながりを復興することができるのではないだろうか。

「新しい人よ眼ざめよ」の最後はこうだ。

「新時代の若者としての息子らの―――それが凶々しい核の新時代であればなおさらに、傭兵どもへはっきり額をつきつけねばならぬだろうかれらの―――その脇に、もうひとりの若者として再生した僕自身が立っているようにも感じたのだ。(略)恐れるなアルビオンよ、私が死ななければお前は生きることができない。しかし私が死ねば、私が再生する時はお前とともにある」

そう言えば、最近の脱原発デモは大江健三郎が先頭に立ってやっていたね。

私もそろそろ腰を上げて、傭兵どもに額をつきつけなければならない時なのかもしれない。