心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

もうひとつの側面 トランジットを考える

みなさん、オリンピックを楽しんでいますか?

私は毎日、日本人の戦い方の美しさに心を打たれながら、夢のような日々を過ごしている。

また、華やかなメダリストたちの影で、必死に死闘を繰り広げているアスリートたちの活躍にも感動をもらっている。

大切なのは結果だけでなく、そこに至るまでの、そしてこの先も続いていくだろう人生のプロセスにあるのだと、改めて人生の機微も学ぶことができた。

前にもブログで書いた元プロボクサーの坂本博之氏も、「世界チャンピオンにはなれなくても、頑張ることに意味があった」と言っていた。

そこから、彼の第2の人生が豊かに広がっていった。

結果を残せなかった選手たちの「その後」にマスコミがスポットを当てることは少ないが、挫折を栄光に変えるチャンスはいくらでもある。

その行く末を見守るのが私の趣味でもある。

物事には必ず裏と表がある。

様々な人たちのトランジット図を見ていると、そう思わずにはいられない。

よく占星術を勉強している人たちから、「土星が来たから身動きが取れなくなる」とか「火星が来るとトラブルが増える」とかいったことを聞く。

トランスサタニアンが来るなんてことになったら、みんな大騒ぎだ。

ひどい人になると「主人が死ぬかもしれない」「病気になるかもしれない」とパニックになったりもする。

また鑑定の現場でも、「他の占い師に、あなたは35歳まで結婚できないと脅された」といった声も上がる。

確かにトランスサタニアンには、ショッキングな出来事をもたらすエネルギーに関係しているかもしれない。

では、その意味とは何か?

物事のもうひとつの側面を考えなければ、宇宙の法則を学習する意味などない。

天文学者のカール・セガールが言う。

「繊細でエレガントな法則が、荘厳な宇宙意識の中に現出しているのが見える。宇宙をこうあってほしいとするより、実際に宇宙がどのようなものなのか理解することのほうがよいと考える」

先日の講座でも、かなり熱くトランジットの話をしたけれど、トランジット天体のハードアスペクトの効果を避け、チャレンジを諦めていたら、そこには人間的成長はないと考えてもいい。

土星がハードアスペクトを取っているときは、何もしないほうがいいと教わった」と言っていた生徒さんもいるが、そんなのは論外だ。

特にスクエアやオポジションアスペクトは、気付きや自覚の可能性を広げてくれる重要なタイミングになる。

体験の「なぜ?」を問うことで宇宙の恩恵にたどりつくことができる。

先日もコンサルテーションの際、結婚間近な相手と別れてしまった、どうにか復縁できないものかという相談があった。

その別れの意味について話を進めていると、ケンカの原因が、彼女が初めて彼に不安をぶつけたためだったということがわかった。

彼女にとって、天王星冥王星のトランジットは個性化の目覚めだったのだ。

最後には、彼女は別れてホッとした側面もあると納得し、別のチャレンジの方向に目を向けることを約束してくれた。

土星が来た時、身動きできないことで得られたものは何だったのか?

耐え忍ぶことによって、何かもたらされた機会はなかったか?

海王星のトランジットの中に隠された孤独の意味を見出すことはできるだろうか?

嘆いているだけでは見えてこない、もうひとつの側面というものがある。

そこを理解できて初めて、コンサルテーションでのアドバイスが有効になるだろう。

宇宙の運行は、誰にでも平等にもたらされる。

そして天体は長所と短所を持ちつつ、私たちにエネルギーをチャージする。

どちらの側面をどう受け止めるかは自分次第だ。

困難な中の喜びと幸福の中の危うさ、そのバランスに気付けたとき、これから続いていく人生に不安なく飛び込んでいけることになる。

ひとつの結果だけで一喜一憂しないよう、その意味を深く考えてみてほしい。

人生は続いていく。

様々な体験の中で何を見出すのかは自分次第だ。