心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

どう納得したか? 海王星のトランジット

外交問題がいよいよ大きくクローズアップされている。

その契機となったタイミングは、やはり蟹座の月、金星と山羊座冥王星アスペクトした8月14日、つまり韓国の大統領が「天皇謝罪発言」をした日となるだろう。

蟹座・山羊座ナショナリズムが触発されたタイミングだ。

けれどもうひとつのサイン、海王星のトランジットも見逃すわけにはいかない。

講座でも何度か天皇家の人々のチャートを使っているが、各々、海王星が顕著な配置になっていることが確認できている。

宗教的な意味なのか、または象徴としての意味なのか、もしかすると天皇神道は、日本人の心に多かれ少なかれ、無意識に働きかける存在になっているのかもしれない。

そこを刺激されたということで、ようやく日本人のナショナリズムを奮い立たせることができたということだ。

それが太陽、海王星オポジションで示されている。

ということで、今日は海王星の話。

といっても、個人的な海王星の使い方について考えてみたい。

海王星トランジット時のコンサルテーションは、とても難しい。

やはり教科書通り、みんな混乱しているし、失望している。

何か喪失体験があったのだろうか?

周囲に過敏になりすぎて、他から孤立していると感じているのだろか?

トランスサタニアンのトランジットのタイミングは、まず自分の思い通りになることはない。

特に、海王星はエゴを否定するエネルギーを持つため、「別れたあの人とよりを戻すことはできますか?」といった個人的な欲求には、間違いなくNO!を突き付けるだろう。

海王星は、そんな個々のエゴに応えることに興味など示さない。

では、海王星が望むこととは何なのか?

海王星は、真実をもたらすエネルギーだ。

海王星のトランジットのタイミングは、物事の本質に触れるチャンスとなる。

けれど残念ながら真実とは、自分が望むものとは限らない。

だから人々は戸惑い、混乱し、現実から逃避する。

人は「あの人が戻ってくる」と信じたいし、「すべてが順調だ」と思い込もうともがく。

コンサルテーションで真実を伝えると、「どうしても無理なんですか?」とか「なんとかしたいんです」とか、一様に真実を受け入れられないといった態度を示す。

しかし、みんなわかっている。

物事は、そううまくわけがないと。

わかっているくせに、それを認めるのが怖いのだ。

そこで、自分の心に嘘をつき、ごまかそうとする。

海王星に「自己欺瞞」という象徴が当てはめられているのは、つまりそういうことだ。

海王星がトランジットしている時は、とにかく慌ててはいけない。

自ら水槽をかき回し、水を濁らせてはいけない。

この混乱は、本当は何を伝えようとしているのか?

この一連の物語は、どのような意味をもたらそうとしているのか?

それを自分の心に問うことが大切だ。

恐らく、自分の心はちゃんと答えを知っている。

知っているけれど、認めたくないだけなのだ。

だったら、ここは観念し、世俗から離れ、静かに自分の心と向き合うしかない。

失った理由。

うまくいかない人生。

孤独な夜。

そういった、見たくない自分の姿をしっかり直視すること。

今までの成功体験を手放し、エゴを捨て、静かにその意味を考えること。

やがて濁っていた水槽の水がクリアになってくると、そこに何かしらの真実―――力不足だった自分、仕事に対する行き詰まり、年齢に対する限界、他に好きな人ができた恋人―――多分、最初からわかっていた理由を受け入れるしかないことに気付く。

そして少しずつ、エゴを手放し、混乱の意味を心から納得することができるようになってくる。

その時、初めて海王星は愛や慈しみのエネルギーを心に与えてくれるのだ。

「そうか、この結果でよかったのだ」と。

最終的に受け取った答えが本当に真実なのか否かを確かめるすべはない。

大切なのは「どう納得したか」だ。

心に平穏が戻り、愛の力を感じたら、それが答えとなる。

もちろん、海王星トランジットを積極的に利用する方法もある。

それは、オリンピック選手のような使い方。

「国民の皆様の期待に応えるために頑張ります!」といった、みんなの夢や理想を力に還元する方法だ。

または介護など癒しの力、自己犠牲の力を利用するという方法。

これも立派な海王星の働きだ。

最後に、前にブログでも書いた、私が海王星のエネルギーの利用法として活用している河合隼雄氏の言葉を再び思い出したい。

個人が受けた傷は、まったく個人的なものでありながら、それは同時代を生きる人々に共通であることがわかる。個人のそれぞれの傷は、文化の傷、社会の傷、現代の傷とつながっている。ある個人が、なぜ自分はこのような不幸や苦しみにあうのだろうと嘆いていたり、不可解に思ったりしている時、それは文化や時代の傷を引き受けている。同じ苦悩を引き受けている。

今思えば、金環食のチャートの海王星

私たちにいろいろな学びの機会を与えてくれているなと納得する。

占星術って本当に面白い!