心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

点を線でつなぐ

きのうの講座で「上級講座では、コンサルテーションのやり方を教えてもらえるのですか」という質問があった。

基本的に上級講座では、参加者のレベルに合わせて、コンサルテーションを見据えたチャート読みをしていくことになっている。

その中でコンサルテーションチャートも勉強したりもする。

チャートの分析から始まり、最終的にどのようなアドバイスまで至るのかを学んでいくことになる。

進みの早いクラスでは職業占星術まで教えることもあるけれど、まずはテクニックより、安定したチャート読みができることが目標だ。

ホロスコープを読むための心得を伝えることもあるけれど、結局、占星術を使ったコンサルテーションには、核心的な方法論というものはないと思っている。

つまり、いつもブログで書いている通り、「個人の現実」に沿ったアドバイスしか、基本的にはしない。

私がよく言っていることのひとつに、「手持ちの札で勝負する」というのがある。

よく新しい環境に飛び込めば、新しい何かを始めれば、人生が劇的に変化して、生まれ変わったように生きられるようになるのではないかと考えている人がいる。

そうやって自分探しをし続けて、永遠にさまよい続けたりする人が多い。

でも人生とは、過去から現在、未来へと続く道だ。

朝目覚めたら、まったく知らない人間になっていれば別だが、今日、会社員だった人間は、今日もアーティストではなく会社員として生きていかなければならない。

それが人生だ。

どんなにたくさんの点を作ってみても、それが線でつながっていなければ、個人はどこにもたどり着けない。

いくら占いの現場で個人を喜ばせ盛り上げようと、個人の過去を無視した流れを進めてみたところで、結局、また放浪者を産出することになるだろう。

だから月、太陽、土星のラインを意識して、長期的視点で計画を立てていくことが重要だ。

通常、私のチャート読みは、発達年齢域順に人生を追いかけていくのだけれど(そこにソーラーアークのタイミングを加えていく)、「今、ここに至ったのは、このタイミングが作用しているのではないか?」というポイントを読み解き、その人物の手持ちのカードを拾い集めていく。

せっかくエースがあったのに、なぜ利用できなかったのか?

このツーペアを個人はどう利用したのか?

どうして、このタイミングで勝負できなかったのか?

まあ、そんな感じ。

誰でもみんな、勝負のカードを持っている。

でも、なかなかそれを有効利用できないでいるのが現状。

占星術的にいえば、天体の長所を捉えきれずに短所を選択してしまった結果だ。

でも人は、手持ちのカードを利用するしかない。

それが個人の大切な資源だし、それが唯一の未来の可能性だからだ。

それを知るには、必ず過去にヒントがある。

点を丁寧に線としてつないでいくこと。

今のところ、私にとって、それがコンサルテーションの重要な鍵になると思っている。