心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

Predictionの意味づけ

オバマ大統領が再選して、ひとまずホッとした。

去年の年末、ある有識者の会合で「大統領選は大波乱の予感。やや現職オバマが有利か。逆転勝利という感じ」という予測をしたためだ。

以前ブログにも書いたが、この会合は大学教授、博士、政治記者、経営者の方々が参加しているので、「占星術家の面目にかけて」と毎年、相当気合を入れて予測をしている緊張感のある仕事のひとつ。

今日の午後、何人かから「オバマ大統領の再選おめでとう!」というメールをもらったが、なんだか複雑な気分だった。

予測のひとつが当たった。

それは占星術家としては喜ばしいのかもしれない。

けれど、オバマ大統領が再選することがアメリカや日本にとってどのような意味を持つのか。

そこをよく理解せず予測することに何の価値があるのだろうか。

よくよく考えると、とても滑稽な気がし始めた。

今年は「当てる」「当たった」という単純なものではなく、もう少し踏み込んだ予測をしてみたいと思った。

夕方、ひとりの生徒さんから、「10年後、冥王星が太陽にオポジションになるのだけど、今から恐ろしくてたまらない。どんなことが起こるのでしょうか」というメールが来た。

また、「トランジットが悪く出る人と良く出る人の差は何なのでしょうか」とも書いてあった。

心理学者アドラーは、「人間は意味の領域に生きている」と言った。

「人は固有の個人的な「人生の意味」を持っていて、意見、態度、動き、表現、癖、野心、習慣、性格特性のすべてが、この意味に一致している」というのだ。

個人がある体験に「意味づけ」をすれば、それがその個人の真実になっていく。

どのような体験をしたかではなく、その体験にどのような意味づけをしたかで人生は形作られていくということ。

つまり、良い体験、悪い体験と判断するのは個人の「意味づけ」であって、トランジット天体の仕業ではないということだ。

土星がトランジットしているから苦しい」のではなく、ある時、土星に「苦しい」という意味づけをしたがために、土星のトランジットを「苦しい」と感じることになったのだ。

個々人の人生の意味づけを理解していなければ、ホロスコープによる未来予測など到底できないということだ。

予測する際の注意点は、ここにある。

自分にとっての意味づけは、ある人にとっての意味づけではない。

「人生に与えられる意味は、人間の数と同じだけある」とアドラーも言う。

だからこそアドラーは、「われわれは、よりよい意味が共通して持っているものが何か、より満足できない解釈に欠けているものが何かを見つけること」が重要であり、「人間にかかわる限りでの現実を解読することを可能にする共通の意味を引き出すことが」大切なのだと書いた。

今年は、そういったことを踏まえて様々な予測してみたいと思う。

人々にとって共通の意味を考えることで、何かもっと有用な予測ができるかもしれない。