心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

占いという仕事の危うさ

先日、ある心理学のセミナーに参加してきたのだけれど、そこで改めて、心理占星術のすごさを再認識した。

やはりホロスコープという武器があるというのは、かなりの強みとなる。

心理カウンセラーが6カ月かけるところを、心理占星術を利用すれば10秒で解決するとティル氏がよく言っているが、そうだろうとも思った。

隣に座っていた大学病院の臨床心理士の先生に、その点を力説してみたりもした。

けれど、重要なのはそこではないこともわかった。

いくら心理占星術を用いて、個人の心理的問題を具体的に理解することができても、カウンセリングの段階で失敗したら、その時点で心理占星術は武器ではなく凶器になる。

その事実に、かなりショックを受けた。

使用方法を間違えたら恐ろしい道具にもなりかねないのだという思いに、しばらく落ち込んでブログの更新ができなかったくらいだ。

この点を理解していなかったわけではないが、改めて学びなおしてみると、ことの重大さがわかった。

けれど、これは心理占星術だけではなく、現場で占いをしている人たちにも言えることではないだろうか。

心の働きとその扱いを知らずして、クライアントとどのように向き合えるのだろう。

占いの胡散臭さは、こういった問題を軽視した結果でもあるかもしれない。

決めつけや勝手な思い込み、無理やりのカテゴライズ。

私だって無意識にこういった落とし穴にはまっているに違いない。

だから人を鑑定する立場にある人は、せめて自分の心理的な弱点、たとえば「私は人から否定されると攻撃的になってしまう」とか、「実は、幸せそうにしている女性を見るとジェラシーを感じてしまう」とか、自己の無自覚的な心の働き、シャドウやコンプレックスに意識的になる勇気がほしい。

そうすれば、相手を無意識に罠に陥れるような鑑定をすることはなくなるかもしれない。

私も、日々そこを意識するよう努めている。

実は先日、知り合いの設計事務所が手掛けたショールームに「占い関係の講座&イベント禁止」という注意書きがされていたと友人から聞いて、これまたショックを受けたところだった。

占いに対する偏見は今に始まった話ではないけれど、知り合いにやられるとはね。

誤解が解かれる日が来るとは思えないが、私としては地道に活動していくしかない。

では私は、堂々とこの仕事を宣言できているかというと、そうでもない時がある。

前出の臨床心理士の先生に対しても、自分の職業を口にするときは一瞬ためらった。

躊躇したくなる時もたまにはある。

そんなこんなで考えさせられる11月の始めを過ごしていたわけだけれど、それでも心理占星術の有用性を疑うことはない。

葛藤しながら、悩みながら、教えたり、コンサルテーションしたりはしているけれど、それでも、やはり心理占星術は人を知るツールとしては素晴らしい。

それだけは自信を持って言える。