心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

アウタープラネットの人々

職業占星術の本の中でドナ・カニンガム女史は、外惑星が強調された人々は、自分の満足いく仕事を見つけるのに非常に苦労するだろうと言う。

これに関しては、前にもブログで書いたこともあるね。

この文章はこう続く。

「同時代の人々に比べてしっかりとした道を歩んでいないように感じることが多い。これには、もっともな理由がある。時を得ていないのだ。成熟した人こそが、これらの惑星のエネルギーをうまく扱うことができるのである。最終的に、何年もの紆余曲折を得た後、自分の転職を見出すのである」

外惑星がパーソナル天体に強くアスペクトを形成している場合、もちろん幼少期は、そのエネルギーを自分のものとして意識的に動かすことはできなかったはずだ。

何かしらの理由からエゴを抑える必要があり、結果、環境に翻弄され、自己が埋もれていく。

常に「ここは私の居場所でなはない」という違和感を感じ続け、やがてサターンリターンを迎え、ますます土星の世界からはみ出していくように感じられる。

自分の中に、何かとても大きな力を感じているにもかかわらず、いまだ何もできないでいるという無力感。

それが慢性的な不全感となり、「自分の人生を生きていない」という憂うつな気分が続いていく。

5ハウス・海王星が強く働いている女性は、サターンリターンのタイミングで仕事に対する情熱を失い、自宅でこっそり得意なピアノを弾いていた。

半分人生を諦めつつ、半分人生に期待を持ちながら。

もし彼女の海王星が、子供の頃のように誰かに犠牲を強いられる体験としてではなく、人の役に立つことができるエネルギーとして還元されるとしたらどうだろう。

自分の孤独感や虚しさを埋めるために弾いているピアノが、もしかしたら似たような境遇にある人の心に喜びを与える表現になるのだとしたら?

その感覚を呼び覚まし、自我を目覚めさせるのが中年の危機のタイミングでの刺激だ。

幼少期に心の奥底にしまいこんだ感性、成長期に土星の世界からこぼれ落ちた感性が刺激され、自分の新たな自己像が再形成される時期がこの中年の危機となる。

アウタープラネットな人々は、38歳くらいからが本当の人生のスタートだと、私は考えている。

太陽の目的意識がはっきりし、火星の人生を切り開き獲得する力を得た後、アウタープラネットの人々の人生は、受け身の人生から働きかけの人生へとスイッチが切り替わる。

時代が、彼らの能力を必要とし始めるのだ。

ドナ・カニンガム女史も言っている。

「自分が選んだのではなく、何かに自分が選ばれた」ということだ。

だからこそアウタープラネットの人々は、時代や環境の求めに応じていくことが大切なのだ。

人生で得た多くの知識、または幼少期の心の体験といった自己の揺るぎない価値を外の世界に活かしていく。

天王星なら問題提起の力を、海王星なら深い理解の力を、冥王星なら他者の価値を利用する力を使って。

そうすれば、自ずと道は開かれていくだろう。

エゴを超えたところに生きる場所がある。

それがアウタープラネットの人々たちの生き残り方のひとつとなるだろう。

人生は、いつだって挽回できるものなのだ。