心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

海王星と私とクライアント

火曜日のコンサルテーションで、久しぶりに海王星の至福的感覚を味わった。

それは、お互い信頼し合っているクライアントとの間で起こった。

彼女との付き合いは、数年前、彼女が素晴らしいキャリアを手放し、出産をし、その後の進むべき道がわからなくなって私を訪ねてきた時からだった。

2度目のコンサルテーションで、私は彼女のチャートに示されていた適正に沿ったアドバイスをし、彼女の背中を思いっきり押し、外国人ママさんのための生活支援、主に防災時のサポートをするための団体を立ち上げることを決心させるまでに至った。

その後、311が起こり、彼女の団体は素晴らしい活躍をし、不安を抱えた多くの外国人ママさんを支え続け、マスコミにも取り上げられ、企業や行政からの依頼も増え、団体は急成長を遂げた。

その間も、新しい事業の計画やら、人事の問題やらを相談しながら、原点に戻りつつ、未来の流れを作っていくという手伝いをしていた。

半年ぶりくらいに顔を見せてくれた彼女は、それは輝いていて、とても美しくなっていた。

さらなる発展のため、具体的なアイデアとそれを実行するタイミングについて話をし、最後に彼女は少しだけ涙を流しながら、「自分らしく生きることの勇気をくれてありがとうございます」と感謝の言葉を口にしてくれた。

彼女が帰った後、私は急に涙が止まらなくなった。

その時の私は、こう思っていたのだと思う。

「彼女は、私の生きることのできなかった人生を生きてくれている。私の夢を生きているのだ」と。

そのことに心から、私のほうこそ彼女の勇気と頑張りに、心から感謝するべきだったと気付いた。

彼女の夢は、私の夢でもあった。

海王星に、「みんなの夢」とか「理想や夢の共有」という意味がある。

今までいまいちピンときていなかったのだけど、「なるほど、そういうことか」と初めて腑に落ちた。

人は、ひとつの道しか歩けない。

環境のサポートが得られず、道を断念せざるを得ないこともある。

勇気が持てず、その道に進むことができないこともあった。

様々な紆余曲折を経て、私はこの仕事を通して、誰かの夢の一部となり、それを喜びに変えていた。

たとえ自己満足であったとしても、この仕事から味わえる幸せな体験のひとつであることは間違いない。

それから、今までコンサルテーションした人たちの人生を思い出した。

デスクワークから世界中を飛び回る旅行の企画会社に転職した人、子育てがひと段落した後、子供たちとケーキ作りをするワークショップを開いた人、母親の遺言通り、海外で美容の勉強をすると決心した21歳の男性など、数えきれない人が、私が生きることのできない人生を生きてくれている。

ちょっと前、「日陰に咲く花もあるんですね」とトランスサタニアンについてコメントしてくれた方がいたけれど、この仕事は、そうね、陽の当たる仕事とは言い難いかもしれない。

クライアントたちの放つ太陽の輝きの反射によって、ただ照らされているだけなのかもしれない。

それでも、というか、それが私の幸せのあり方なのかもしれないと思えた時、ようやく私がこの仕事を選んだ意味がわかったような気がした。

やっぱり、海王星は夢の共有なんだね。

私も誰かを明るく照らせるよう、夢をかなえるために太陽を輝かせよう。