と、しみじみ思う。
アメリカで是非、直接ノエルに質問してみたいと思っていたことがいくつかあった。
そのうちのひとつが、ノエルが火星、海王星を「カリスマアスペクト」と言っている点だ。
なぜ、そのように彼が読んだのか。
それは、天体の象徴を考えれば理解はできる。
ポジティブに読めば、多くの人の夢=海王星を実現させる力=火星を持つのがこのアスペクトの解釈となる。
けれどカリスマと呼ぶには、この組合せが持つエネルギーは難しい。
男性的エネルギーは容易に抑圧され、臆病で繊細になる。
つまり、どちらかと言えば犠牲的に出ることのほうが多い。
その難しさについて、是非、ノエルに聞いてみたいと思っていた。
彼の答えはこうだ。
「この組み合わせは、とてもアメリカ的だ。日本では、そう読むのは少し無理があるかもしれないね。この組み合わせは、言わばマジックなのだ。とてもアメリカ的なマジックだ」
私は、この答えに大いに納得した。
実際、ビル・クリントンやチャールズ・マンソン(!)、ジャック・ケルアック、そしてレディ・ガガなど、若者を熱狂させた人物もちらほら見受けれられる。
アメリカンドリームというのにふさわしいのが、この火星、海王星のコンタクトなのだろう。
もちろん、そこにはもうひとつの根拠もある。
アメリカ合衆国のチャートは、カルミネートした海王星に火星がスクエアになっている。
他のアメリカ合衆国のチャートでは、1ハウスに火星があり、5ハウスの海王星とスクエアとなっている。
つまり、このふたつの天体は、非常に”アメリカ的”なのだ。
M先生は、この組み合わせをサイキックな能力と読んでいた。
または、女性だったら男性にいいように利用されることもあるねと言っていたりもしていた。
まあ、つまりそういうことだ。
象徴には、様々なレベルがあり、様々な解釈があるということだ。
海王星は、非常に繊細な感受性を持っている。
私は、天体を年齢域に沿って解釈することが多いので、この組み合わせは、乳幼児の段階で無意識の罪悪感を感じる負担を強いられた可能性があると考える。
例えば、母親が病気だったり、大きな不安を抱えていたりする場合だ。
もしくは、ある体験によって、病気(ヘレンケラーのように)や事故などにより、活動が妨げられたりする場合もあるかもしれない。
それにより、彼らは特別な能力、生き残るため=火星の繊細さ=海王星を身につけることになる。
それが、時にサイキックな能力として活かされることもあるのだろう。
各々が、どのような成長のステップを経て、天体の象徴を利用し生き残って来たのか。
それを丁寧に読み説くことで、各人の人生がいきいきと解釈できるようになる。
ノエルは質問をした私に、「日本人にふさわしい読み方を考えるのは君の仕事だろう?」と言った。
私は、「もちろん、そうだ」と答えた。
それが私にできる大切な仕事のひとつだ。