心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

真実の理解――魚座・海王星について

物事を占星術言語で思考し、理解するようになって久しい。

ここ1週間、スーパーに行く度、精肉コーナーに足が向く。

それまで魚介類や野菜ばかり食べていたのに…

今日は、朝から鶏肉を焼いて食べた。

かなり攻撃的モードが高まってきたね。

その理由を火星が牡羊座に入り、また春分点を直前にしているためだと考えた。

エネルギーを燃やす燃料が必要になったいうことだ。

講座やコンサルテーションの話題の中にも、物事が動き始めた様子がうかがえる。

結婚を決めた人、長く務めた会社を辞めた人、資格試験に勉強にいそしむ人、日本に帰国する人、日本から旅立つ人…

やっぱり春は、出会いと別れの季節だね。

柔軟星座が強調された人たちは、ここ数カ月の魚座過剰の天体配置にかなりまいっていた様子だった。

コンプレックスが刺激されたり、物事が思うように進められなかったり、人生がとっ散らかったような感じで心身ともに調子を崩している人もいた。

しかし、そういった経験を通じて、重要な気づきに出会うことができた人もいた。

私もそうだ。

忘れていた大切なものに再びめぐり会うことができた。

逆行の影響もあるのだろう。

葛藤や困難の中でこそ真実にめぐり会える。

私は、そう信じている。

医療占星術の資料作りのため脳の機能について調べていた時、脳梗塞で半身不随になった人の記事に出くわした。

そこには、魚座の時期にふさわしい内容について書かれていた。

その記事はこうだ。

思想が感情にまで昇華されない限り、夢が現実世界では実現しないことを知ることができた。

一生かけたくらいでは、大海のひとしずくくらいのことしか人間は真実を知ることはできないのであろう。

しかし、その大海の一滴を知ること、感じること、信じることができたとき、自分のこころの世界は、瞬間に変貌することができることを知った。

彼は脳梗塞を患ったおかげで、素晴らしい真実のひとつとめぐり会えたと書く。

物事を深く理解させるため、犠牲や喪失、孤独や失望の体験をもたらす。

それが魚座海王星の働きのひとつだ。

オスカーワイルドは獄中で、彼のもっとも素晴らしい作品を書いた。

そこにはこう書かれている。

悲哀のあるところに聖地がある。

いつか人はこの意味を身にしみて悟ることであろう。

それを悟らない限り、人生については全く何事も知ることができない。

また、ポオが「真理の書として夢見る読者に捧げる」と書いた著書「ユリイカ」でこう言う。

原初の事物の原始の単一のなかに、その後のすべての事物の原因がひそみ、同時に、それらすべての不可避な消滅の萌芽もひそむ。

直観とは「帰納ないし演繹に由来するものだが、その過程が影のごとく判然としないので、われわれの意識にのもぼらず、われわれの理性をすり抜け、われわれの表現能力をうわまわるところの確信にほかならない」。

すべてが大海に帰し、そしてまた新しい季節が始まる。

春分点を前にできるかぎり身軽になっておかなくちゃ。

みなさんによい季節が訪れますように。