心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

個人を個人たらしめる「やむにやまれぬ気持ち」

先日の基礎講座は、私のもっとも大切にしている「ホロスコープの構造を理解する」という講義を行った。

12サインを様々な方法でカテゴライズ(個と全体、ポラリティ、モダリティ、エレメント等)し、ホロスコープ全体の成り立ちとその意味に迫る。

サインはひとつで完成することはない。

支え、反発し、調和しつつ、様々な関わりを通して、その意味を形成している。

自分の中にある複雑な感覚を、このカテゴライズは教えてくれるのだ。

医療占星術でも、この技法でしつこく身体のしくみを考えてみたけれど、やはり面白い。

いつ教えていても、発見が多いテーマだ。

私のお気に入りは、このブログでもよく取り上げている3ハウス=双子座=水星↔4ハウス=蟹座=月のポラリティによる組合せだ。

ともに「IC=私はどのような人間か」を支え、それを証明してくれる。

年齢域では、0~15歳の領域、つまり生まれてから、社会に適応していくまでを支配している。

どのような家庭で育ち、どのような言葉を話し、何を感じ、何を思うのか。

初期の環境の中での体験が、MCへと向かう土台となる。

占星術では太陽や月の重要性は知られているが、水星の重要性を語られることは少ない。

私は、水星は太陽や月と共に個人を個人たらしめるものであると考えている。

太陽がはっきりとした目的意識や自己を形成する前に、水星がしっかりと「私はこう思う」「私はこう考える」という個の境界線を形成できない場合、太陽系=社会活動に対し、個人を明らかにすることができず、どこか不安や苦手意識を残てしまうことになる。

水星は、個人と社会とを結ぶメッセンジャーとして、その力を持たなければならない。

またはモダリティの連動を考えるのも楽しい。

1ハウス=牡羊座=火星の個の存在の場づくりから始まり、4ハウス=蟹座=月の安心の場づくりに続き、7ハウス=他者との関係の場づくりに移り、10ハウス=山羊座土星で社会が安定して維持される場づくりへとつながっていく。

すべてが連動することによって、ひとつの「場のシステム」が完成する。

これが活動の世界である。

しかし、やはりそういったエネルギーの流れを生みだすには、太陽の目的意識と月の私的感覚の骨組みがしっかりとしていなければならない。

月の個人の内的世界と太陽の未来を創造する力。

それが個人の「やむにやまれぬ気持ち」を支え、人生を創り出していくのだ。

先日ニュースになった小泉元首相の発言を読みながら、太陽と月が教えてくれる個人の「やむにやまれぬ気持ち」について考えていた。

小泉さんのコメントはこうだ。

私は今、いろいろな人から『新党を考えたらどうか』とかね、『原発ゼロを展開している人は他にいるから、よく連携したら』といわれるが、『それぞれの立場でやった方がよいんじゃないか』と。そして、主張を展開するときにはね、誰が賛成しているから、誰が反対しているからというよりも、やっぱり、やむにやまれぬ気持ちがないと公に自分の主張を展開できない。『1人でもやるという気持ちでやらないと駄目だよ』と連携を呼びかけている人には言っている。たとえ人と意見は違っても、自分が本当にこう思うんだということを展開していかないと、なかなか世の中は動かない。

やむにやまれない気持ち=太陽&月が言葉や思考=水星となり個が育成され、それを土台にして、火星、金星、土星へと連動し、社会へと向かう場づくりの力へと進む。

どんな活動でも、この「やむにやまれぬ気持ち」から派生した力というのは絶大だ。

そのような気持ちで書かれた本や詩、描かれた絵画、音楽、踊りは、どれだけの人に感動を与えてきただろう。

たとえ、日々の仕事でもそうだ。

私的感覚と目的意識の生んだエネルギーは、周囲を動かす力となる。

誰だって情熱を持ち、環境を動かすことができるはずだ。

そある意味、それは子供っぽい、自我の強さから生まれている。

しかし所詮、欲求の充足というのは自己満足に過ぎないのだ。

まずは、水星を自由に動かし、自由に思考する作業から始めてみるのはどうだろう。