心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

対話の中でホロスコープを新たに創造する――上級者向け

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今日は暖かな日だった。

天気によっても気分が違う。

こころはうつろいやすいものだ。

昨日の中級講座では、対人関係の問題を扱った。

最近、私が一番注目しているパートだ。

みなさん、たくさんの気づきを持って帰られたようですね(ぜひ、昨日の学びを夫婦関係に活かしてみてください)。

相互の関係性が、どんな反応を起こすのか。

まだまだ考える余地がある。

講座でよく言われることのひとつに、「nico先生のようにホロスコープを柔軟に読むのが難しい」というコメント。

「やはり経験なのでしょうか」という結論になることが多いが、どうだろう。

個々のホロスコープに多様な解釈を与えるということは、占星術実践家としての大きな試みとなるだろう。

その挑戦のひとつとして、私はホロスコープを解釈する際、「すでにもっている自分の理解の構造を疑ってみる」ということやっている。

自分の信じている構造を一度白紙に戻し、ホロスコープ自体が語りかけてくるようにしてみるのだ。

常に新鮮な視点でホロスコープを捉え、自らの理解とホロスコープの構造を結び付けていく。

こうすることで、限定された狭い解釈の中に象徴を押し込めることはなく、柔軟な解釈ができるようになるのだけど、この時一番大切なことは、「自分が正しい解釈ができるはずだ」という思い込みを手放すことにある。

実はこが一番難しい。

いかなる解釈の方法も、私たちがすでに想定している以上のものを私たちに与えることはできないからだ。

だからどうしても、自分の学び知った解釈にしがみついてしまうことになる。

木星は「拡大」、冥王星は「こだわり」。

この解釈をどれだけの人の口から聞いたことだろう。

私の目指す方法性として、「わからない。だから解釈を教えてほしい」という態度でホロスコープに向き合うことだ。

そうすることでクライアントとともに、対話の中でホロスコープを新たに創造していくことができるようになる。

ここを前提とした実践読みの技術をこの場ですべて伝えることはできないが、いつも講座で行っているように、キーワードとなる言葉と天体を見つけ(これを見つける方法は、実践の中で繰り返し学んでいくしかない)、そこから物語を一緒に作り上げていく。

その他の象徴解釈はクライアントに委ねていくことにする。

最近行ったコンサルテーションの一例をあげてみる。

蠍座の8度に火星、海王星、太陽、そこに土星冥王星が小三角のアスペクトを取っていた場合、とても強いエネルギーをここに感じるわけだが、その解釈は私には「わからない。だから解釈を教えてほしい」わけなので、だから、鍵となる天体として、ファイナルディスポジターの射手座の木星とオーブ10ほど離れたところにある射手座の水星を確認し、ここから、「非常に高い理想的なビジョン」が彼女の人生の中でどのように働き、問題と可能性をもたらしたのかを聴く。

すると、彼女の生きている世界が言語化され、語られ、テキストとなり、それがホロスコープ全体に広がり、私の知らなかった象徴解釈が物語になっていくのだ。

ここで重要となるのは、繰り返しになるが、できるだけ「私の知らない象徴をさぐっていく」ことだ。

私の持っている占星術の言語とクライアントの持っている世界の言語が混ざり合ったとき、それがホロスコープの新しい世界を開くことになる。

「すでにもっている自分の理解の構造を疑う」なんて…と初期の学習者は思うのは当然なので、これは上級者向けのテクニックだと思ってもらえるといい。

数あるホロスコープに柔軟に対応していくための、ひとつの手法と思ってくれればいい。

また、これはいつも講座の中で伝えていることだけれど、矛盾した解釈は勇気をもってすべて切り捨てていくことを行うことも大切だ。

出版されている占星術の本をそのままホロスコープ解釈に当てはめていくと、必ずどこかで矛盾が生じる。

12ハウス・獅子座の太陽と木星コンジャンクションは、おそらく、本に書いてある以上に人格は複雑で、また可能性は豊かなはずだ。

できれば、既存のテキストを手放し、新たにホロスコープを創造する楽しみを持ってみてほしい。

すると、ひとつひとつのホロスコープを難しいものとしてではなく、いつも新鮮な発見をもたらしてくれるものと思えるはずだ。