心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

チャートを立てた瞬間は…

いつでも胸が高鳴る。

秘密の扉を開けてしまったような、何か特別な想いを感じる。

立てたチャートが予想通りであっても、予想とは違っていても、新しいチャートからは、いつも新鮮な風を感じるものだ。

初めて、自分のホロスコープを見たときの、あの複雑な気持ちを覚えている。

私が悩み、苦しみもがき、または夢を見、恋をし、懸命に生きてきた、その人生がここにあるのかと、その時はまだ、チャートを見ても記号の羅列にしか見えなかったが、それでもとても大切なものを手にしたような気がした。

または、大切な人たちのチャートを見たときも、同じような複雑な気持ちになったのを覚えている。

何もわからない段階であっても、彼らが傷つきながらも、やはり自分の運命を懸命に生きてきたのだというのがわかった。

チャートを立てた瞬間のときめきは、今でも変わらない。

その理由は、いくつかある。

まず、どんなに似たようなチャートであっても同じチャートは存在しないし、そして、どんなに似たようなチャートであっても同じ人生は存在しない。

そこがチャートを立てる楽しみでもある。

けれど、一番のときめきは、どんなチャート――ホロスコープ、コンサルテーションチャート、イベントチャートやホラリー――であっても、それらは人智を超えていると感じさせる力を持っているということだ。

自分なりにたくさんのチャートを見てきたが、いつだって、占星術のチャートは何かしらの説得力を持っている。

ああ、なるほど、そういうことだったのかと、天体がもたらすその理由に圧倒される。

そこには、納得せざるを得ない力強い理由が、多かれ少なかれ堂々と存在しているのだ。

例えば、サンテグジュペリの夢やヴァージニア・ウルフの葛藤をチャートの見たときなどがそうだ。

または、今日の鑑定のコンサルテーションチャートに見た、クライアントの期待と不安もそう。

そして、10日の日の小保方さんの記者会見のイベントチャートもそう。

ASC・獅子座、その支配星の9ハウス牡羊座の太陽。

火星・木星天王星冥王星グランドクロスを何とかくぐり抜け、必死に勇気を奮い立たせ、自己を正当性を訴えようとしている小保方さんの様子がそこに示されていた。

世間の声がどうであれ、天体配置は、彼女の堂々とした姿を伝えている。

だから、つまり、そういうことなのだ。

ここが占星術の素晴らしいところだと、私は信じている。

世間が彼女を批判しようが称賛しようが、天体配置は誰にも肩入れしない。

ただ淡々と天空を運行し、ただ淡々とその瞬間の現象を伝える。

私がどう感じようが、いつだって宇宙はそのように動いている。

私がネイタルチャートと並行して、コンサルテーションチャートを利用するよう訴えているのは、この点にある。

感情や思い込み、偏見やこだわりに流されず、ある現象を捉えること。

そこが「今」のチャートを立てる強みである。

チャートを立てるという行為は、とても神聖なものだ。

チャートが読めるようになればなるほど、そのように感じる。

だから好奇心を持ち、勇気を持って、占星術を学び、そして現場に飛び出てもらいたい。

今日、私の生徒さんのひとりが現場に立つ。

Sさん、ぜひ生の体験を楽しんでくださいね。