心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

トランジット図には、時代を生きる個人のこころが反映されている

建国記念日デモの声が轟いている。

昨日、ようやく私のすべての講座、勉強会で2015年の天体配置読みが終わったので、これからぽつぽつトランジットの話も描いていこうと思う。

今日は、昨日の講座の振り返り。

水星逆行(今日、まさに15時30分に水星が留――地球から見て、止まっているように見える現象。明日からゆっくり順行に向かう)とか、トランスサタニアンのアスペクトとかいろいろあったが、心理占星術を教える者としては、そういった天体配置を現象として捉える――水星逆行だから○○が起こった、○○が問題になった――ということはあまりしないが、外的環境からの刺激がないと個人を理解することはできないということで、トランジット読みは心理占星術には欠かせないテクニックのひとつだ。

個人は、今の天体配置からどのような刺激を受け取っているのか、そして、その現象をどのように処理し、適応しようとしているかを考え、そのうえで個人の在り方を知ることができる。

自分自身を理解することで、他者を理解し、社会を理解こととなる。

なので、水星の逆行により、個人に何が起こっているかを理解するには、以下のような質問が有効かもしれない。

水星逆行は、あなたの何を通常よりも難しくさせていると感じますか?

水星逆行によって、通常よりもどのようなことが敏感に感じられますか?

水星に関して、最近、何かコンプレックや苦手意識を感じることはありますか?

鑑定でクライアントの悩みを聞いていると、ネイタルチャートや進行図ではなく、これはトランジット図そのものを語っているなと感じることのほうが多い。

つまり、トランジット図から個人が拾い上げた象徴こそが、個人の”今”を物語るわけである。

ネイタルチャートや進行図だけで個人を理解するのは、つまり、だから、個人の”今”を知るには情報が足りない。

昨日の講座でも、その辺は見ることができたと思う。

たとえば、会社で起こった話ひとつとっても、ニュースに対する憤りの話ひとつとっても、それぞれ、トランジット図に反応し、社会と自分との関係性を構成しているのがわかる。

ちょうどリアルタイムで、昨日の感想をいただいた!ので、Mさんの素晴らしいコメントも参考にさせてもらおうと思う。

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トランジットを読むことは、私が力を注ぐことの一つでした。

今の心理状態の意味を、星の状態から大枠でくみとったり、枝葉をそいで核心部分を理解するためにそれは必要でした。

それと、森羅万象を束ねる法則の存在を実感したいために。

しかし、それと世の中の占い師がやっている新月満月読みとかマンデン読みがどうしても結び付かなかったのですね。

天気予報のような発想、あるいは問題回避や目標達成の行動化のためにそれを読んでいるような気がしていました。

「そんなの自分に聞けばいいじゃん、自分の方がずっと確かじゃん」とずっと思っていました。

でもそうではなくて、どんな心理状況にみんなが置かれているか、置かれることになるか、空の星を通して理解するということだったらとても意味があるなと思いました。

そこで初めて「自分」と「みんな」がつながりました。

昨日初めてつながったかんじです。

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森羅万象を束ねる法則!

なんと、ロマンチックな表現なのでしょう。

でも、ほんと、ほんと。

「自分」と「みんな」とのつながり、ほんとにそうですね。

河合隼雄さんの「個人の痛みは時代の社会の痛み」という言葉、いつも思い出されます。

またトランジットは常に「未知」であるわけで、よって外界からの刺激を通して古いものを手放す機会、未来を新しく生きる機会、成長の機会を与えてくれていると考えることもできる。

なので、Mさんのコメント、「今回の逆行を通して、自分の区別のシステムがもう古いものであることを知った気がしました」も、とてもうれしい気づきだ。

そのように考えた上で、土星海王星というアスペクトを見ると、そこに何が見えるだろうか。

土星的なもの――政府、社会システム、権威、会社、社会を形作る人々、現実生活、既存の認知――に対する、何かしらの失望=海王星を感じることはないか。

「自己責任」と、少数を切り捨てる冷たさをそこに見るだろうか。

自分の理想の崩壊に、感情が大きく揺れてしまうことはなかっただろうか。

逃げれば逃げるほど、現実が重さを増してしまっているように感じることはないか。

弱い者の声を拾いすぎてしまっていないだろうか。

それとも、海王星的なもの――境界線があいまいで、存在するかどうかわからないものに脅かされる不安、根拠のない情報に踊らされ、煽られ、現実が揺れてしまうことはなかったか。

何かしらの喪失体験によって、現実生活が維持できない不安を感じることはなかったか。

現実を形作ろとしたとき、何か思い通りにいかない憤りを感じることはなかっただろうか。

弱者の声に、苛立ちを感じることはないか。

トランジットに、何が正しいということはない。

トランジットは「未知」なわけだから、まずは目の前で起こっている新しい出来事に対して、自分がどのように感じているか、どのように反応しているのかを知る機会と受け止めるといい。

そして、立ち位置を確認するのだ。

そこに自分の弱点や欠点が見えることがある。

それから、偏りを修正すべく、双方の側の声を聞き入れる。

新しい時代を生きるため、自分の足りないものをトランジットから学ぶのだ。

土星により過ぎる場合は、例えば、弱者の声を受け入れるスペース、曖昧なものを曖昧なまま受け入れるゆとりを持つことが大事であり、また海王星により過ぎる場合は、例えば、感情に振り回されることなく、現実を維持するために必要なシステムに専念する必要性を理解することが大事になるかもしれない。

そうして、マンダラのような占星術の構造、Mさんのいう「森羅万象を束ねる法則が理解」できるようになるのだろう。

Mさんのコメント「つまりトランジットを読むことは、みんな=公を理解する大きな手立てだというふうに落とし込んだという話です」、そんなふうに自分を知り、みんなを理解する機会としてのトランジット読みができると、より占星術は面白くなるのではないかと思う。

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