心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

過去の傷を肥やしに変え、花を咲かせる

新年あけましておめでとうございます。

今年も心理占星術ともども、どうぞよろしくお願いいたします。

月や火星という、個人の欲求や衝動、恐れや不安を駆り立てる天体がバイアコンバスタを通過中。

または、個人を個人としてたらしめる太陽が天王星冥王星をトランスレーションしようという時期は、やはり、自分と正直に向き合わざるを得ない。

ということで、今年最初のブログ、ちょっと重い内容からスタート。

※バイアコンバスタについては、以前、こちらのブログで書きました。読んでいない方は、こちらをどうぞ。

勉強会満員御礼! バイアコンバスタとツァラトゥストゥラ

年末の2016年トランジット読みの勉強会の開催中に、突然飛び込んできた慰安婦問題の電撃合意。

どの天体の仕業なのかと皆で推測していたが、私の12月中のテーマは一貫して”蠍座の金星”だった。

ニコプライベントのワークショップでも、12月の勉強会でも、この時期私は”蠍座の金星”の話ばかりしていた。

なぜかと言えば、もちろん、金星探査機「あかつき」の周回軌道への再投入成功の話題があったからだ。

5年前の投入失敗。

軌道投入用の噴射装置が破損した状態で、あかつきは、5年間太陽系を航海し続けた。

そんな中での再投入成功は、まさに蠍座の象徴――不屈の精神、死と再生だった。

ということで、12月中に、自分の中にある、「ダメージを受けてもなお、復活させるべき価値とはどのようなものか」を考えてみようという話をさせてもらった。

そして、慰安婦問題の終結

歴史における負の遺産ともいえるこの問題は、正常化50周年の年に日韓合意に至ったと発表した。

天秤座・火星⇔蠍座・金星がミューチュアルレセプションしているタイミングだった。

デトリメント間のミューチュアルは、なんとも頼りなく、へなちょこ感は否めないものの、だからこそ、お互いプライドを捨て、双方の思惑と対外的な促しによって動きが作られたのだろうと想像できる。

これがルーラーだと、そうはいかない。

デトリメントには、そういう使い道があるね。

蠍座=8ハウスは遺産と言われるが、それは、もちろん良い遺産だけではない。

背負うべき負の遺産というものもある。

慰安婦問題も、この象徴に由来する。

しかし、それは本当に”負”なのだろうか。

国には、それぞれの誇るべき価値がある。

日本なら、洗練された文化や技術、我慢強い人間性などがそうだろうか。

その一方で、南京虐殺慰安婦問題といった恥ずべき歴史もある。

いつも陽の当たる話ばかりもしていられない。

物事には、光と影があるものだ。

それらが補完しあって、ひとつの奥深い価値を作り出している。

個人の価値もそうだ。

ティルのいう”ショーウインドーに飾るべき私”を象徴する2ハウスの反対のテーマとして、”人に隠しておきたい私”が8ハウスであると言えるだろう。

または、自己称賛の5ハウスや評価価値の11ハウスの間で、過去の傷、失意の体験、恐れや不安の記憶といった、すべてを”なかったことに”したくなるような出来事を取り扱う8ハウスは、どうしても”負”の印象は否めない。

けれど、それもひとつの個性なのだ。

その国の、その人の光のコントラストとして際立たせている暗さとしての個性。

誇らしいばかりではない、むしろ恥ずべきものとして、しかし間違いなく、それは私の歴史の一部であり、私を成り立たせているものとして受け入れざるを得ない人格。

ならば、いつかそれが、実りの大地(2ハウス)の肥やし(8ハウ)として花を咲かせる日が来ることを信じて生きよう。

何層にも重なり合った色とりどりの体験は、やがて見事なキリムような作品となるかもしれない。

だから、恐れず前を向いていこう。

そんなことを、Nさんからもらったメールを読みながら思っていた。

そんな年明け。

2016年もたくさんの経験をしようと思う。