心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

私の心のありようがわかる 火星の運行速度

小学4年生ごろだったか、国語の教科書に阿蘇山の写真が載っていた。

その雄大で静かな山のたたずまいをずっと覚えていて、今までに3度、熊本を訪れている。

熊本は、私の約束の地だった。

「今」の出来事は、何かしらの過去に結び付き、心が落ち着かない。

眠りも浅く、睡眠は細切れだ。

その一方で、未来に向かうビジョンを刺激されることもある。

クライアントが夢を叶えるため、直島に向かった。

生徒さんのひとりは、ビジネスコンテストで大賞を取ったり、お店をオープンさせたり、また他の生徒さんからは、未来の明るいビジョンを聞かせてもらった。

過去に引き戻される力と、前に進んでいく力。

どちらも、リアルな感覚だ。

4月17日から射手座の火星が逆行。

土星コンジャンクションを迎える直前で、射手座の火星が見かけの逆行を開始し、蠍座の23度まで戻る。

こんな話をどこかで見聞きしたことがあるかもしれない。

私の心理占星術の講座でも、この話は耳タコなくらいしているね。

蠍座火星のやり直し。

そこにどんなドラマが待っているか。

心理占星術的に、これほど注目に値する動きはない。

今回、ニコラボでも火星の働きについて研究し、モチベーション手帳なるものを作ろうというプランもあり、今回の射手座→蠍座火星の逆行は、私の中での注目すべき研究材料になっている。

それは、以前ブログにも書いた、2015年9月に火星に水が発見されたというNASAからの発表を受けてから芽生えた熱き情熱。

それ以来、火星が気になって気になって仕方なかった。

そこで、4月17日からの射手座火星の逆行。

まさか、見かけの逆行運動が逆行を開始し始めてから、急に影響力を発揮するわけではない。

実際、この逆行運動の影響は、3月の上旬から始まっていた。

Mさんからのコメントには、こうある。

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3月以降、身体の中の熱量が低くなっているようで、いろいろと億劫でした。

スタートダッシュ!とか、自分のやりたいように切りだすが吉!

のような牡羊座新月のメッセージがアチコチに落っこちていて

わたしだけが置いてきぼりになるような感覚もありました。

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これは、まさしく火星の逆行の始まりを予感していたような体感覚だ。

では3月上旬から、火星に何が起こっていたのだろうか。

古典では、天体がノーマルスピードであるか、スピードが落ちているかで、その天体の働きの吉凶を見極めるという考え方がある。

平均速度で動いている場合は、物事をスムーズに行う力を持つと読み、スピードが遅ければ、その力がうまく発揮できないと読む。

実際、天体の速度の影響力を読むことは少ないかもしれないが、私は水星、火星など、動きや速さが天体の象徴に重要な意味を持っていたりする天体のスピードは、いつも意識的に読むようにしている。

火星が1日に移動する平均速度は、0°31’27”。

今回、火星が目に見えてスピードを落とし始めたのが3月上旬。

その頃から、やる気が減退しはじめ、動きが鈍くなり、自信を失いやすくなり、直観も働かず、Mさんのいうような「わたしだけが置いてきぼりになる」感じが、誰でもしたのではないだろうか。

※置いていきぼりは、運行速度の低下というテーマにとてもふさわしい感覚だ。

夢の中で、うまく走れなくて必死になっている、あのもどかしい感じ。

スタートダッシュに失敗して、みんなの背中を追いかけている感じ。

そこに射手座のテーマも加わる。

あおさんが、nicoPla,comに書いてくれた、射手座に土星が入ってから、「自分の未来に不安を感じる」という射手座のお客さんが増えたという記事。

射手座をめぐる土星の旅 ~心の中の直観力~

3月上旬から、おそらく、そんな感じが強く増した時期だったのではないだろうか。

そこに土星の逆行もあり、春分もあり、震災があり…

私は、こ3月上旬頃から非常に迷いが多くなり、決断力が圧倒的に弱くなった。

何をするにも自信が持てない。

出した答えを何度も変えた。

この判断で大丈夫だろうかと、思い悩むことばかり。

ニコラボもそう、ニコプラネットもそう。

いよいよ、そんな状態が続いたとき、ようやく、これが射手座の土星や火星の大事なテーマなのだと気がついた。

射手座まで進んだら、ちょっとやそっとの力でうまくなんていきっこないのだ。

命がけで戦うくらい大切なものを勝ち取ろうとしているのだ。

牡羊座や獅子座と違う。

射手座は、最後の火エレメントの戦いなのだ。

だから、迷って当然、悩んで当然。

それが理想のビジョンかどうかはわからないけど、理想であると信じるしかない、正しいことだと信じるしかない。

天体は、生き物である。

これは、私の口癖だ。

生き物であるということは、「逆行」という現象ではなく、速度を落とし、動きを止め、向きを変え、後ろ向きに動き始め、徐々にスピードを上げ…といった一連の動きの中にも、その象徴の意味を見出すことができるはずだ。

その速度を観察することで、月の満ち欠けのような、心のありようまで観察することができる。

膨らんでは閉じるというような、柔らかな心の動き。

けれど、逆行を体感するといっても、それが過去を振り返るというテーマばかりではないということを知っておかないといけない。、いずれにしても、逆行は”見かけの”ものである。

天体が逆行運動を開始しても、季節はめぐり、自然は摂理を生きる。

火星の逆行運動は、恐怖とともにある。

それでも前に向かっていくために”信じるもの”を手にするしかない。

小さな火種を手の平に乗せ、静かに、前に向かっていくしかない。