心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

新月と水星 アイデンティティの確認と先に進むための”手”

今回の新月は、いつになく重要だと思われる。

 

時期読みパーフェクトマスター講座の最後のクラスで四季図の読み方の復習をした際、「日本のチャートでは、去年から今年にかけて、金星の不安が強調されたチャートになっている。ゆえに、補完の天体としての火星、金星を動かすシステムとしての水星、この両方の力が非常に重要になる」、そんな話をした。

 

金星の不安とは、国で言えば、自国の価値の実感、安全保障と外交の問題、これにつきるだろう。

 

春分図を見た限りでは、金星の脆弱さから、豊かな結果を期待できないと読むことができる。

そして、それを補うためのテーマとして、「権利の主張(火星)」と「積極的な対話(水星)」が重要になってくるということがこのチャートから読み解ける(ASC、3ハウスの強調)。

しみじみ、きれいごとを言っている場合ではないのだと気が引き締まる。

 

さて、日本、安倍政権はそれを実現できたといえるだろうか。

当然の権利を守り、対等な対話ができたのかどうか。

そして、今後の日朝会談において、大きな声で得るべきものの価値を訴えることができるのだろうか。

 

日本が守るべきアイデンティティの確認と、それに見合う”手”。

それを手に入れ、強化することが、今回の新月図から下弦の月の、または春分から夏至のテーマになるだろう。

 

”手”とはもちろん水星=手段のことだ。

それが言葉、情報による戦略や策なのか。

日本の存在価値を強く主張するための手=手段の強化により、新しい季節、新しい展開を迎え撃つことができる。

それが、春分図と今回の新月図のから読み解けるのではないだろうか。

 

それとともに、双子座の支配星の蟹座・水星とのミューチュアルレセプションは、まさにアイデンティティの確認の重要さを物語っている。

私たちの歴史は、どこから来たのか。

どこへ向かっていくべきなのか。

拉致問題もしかり、安保理もしかり。

過去の記憶をないがしろにして、物事を進めていくことなどはできない。

 

主張も対話も重要である。

でも、それ以上に過去の歴史も重要である。

これまでどれだけ、傷つき、だまされ、いいように扱われてきたのだろう。

 

これは解決できるかどうかではなく、何をどう伝えるべきかの”手”の話である。

心情の話ではなく戦略や策の話だ。

そこを無視しては、気持ちよく堂々と進んでいくことができない。

 

個人も同じ問題を抱えている。

 

うやむやにしていても進んでいかない。

物事が進んでいかないのはうやむやにしているからだ。

 

いい顔をして、うやむやにしていることは何だろう。

波風立てないように、そっぽ向いていることななんだろう。

そこを触れば大ごとになる、だったらないものにしてしまおう。

 

双子座・蟹座・ICは、そんなごまかしに気づくチャンスだ。

この気づきが山羊座土星の土台になるのだから、とても大事な時期だといえるだろう。

健やかな未来のために、言葉なのか考えなのか、戦略なのか。

個性を表現する武器になるもの、しっかりと”手=手段”を使うことが大切であることを、春分図&今回の新月は教えてくれている。

 

あまり多くは期待できない時期だけれど、「生きる」ということに純粋に向き合うこと。

形而上的なきれいごとではなく、自分を守り、生きることに焦点が合っている、そんな時期と考えられるかもしれない。