心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

誰かが私の代わりに痛みを引き受けてくれている

心理占星術を学ぶ醍醐味の一つに、トランスサタニアン(天王星海王星冥王星)の解釈というのがある。

多くの人たちが言うように、「人間の叡智を超えたエネルギーなので、そのすべてを理解することはできない」というのはもちろんなのだけど、それでも社会心理は時代意識としてこれらを理解することは心理占星術のチャレンジの一つであることから、3天体を丁寧に学び、人や時代に合わせて言葉を選んでいくことは、とても重要なことである。

そんなとき、いつだって河合隼雄氏の言葉が頭をよぎる(私の生徒さんは、本気で耳タコですね)。

個人が受けた傷は、まったく個人的なものでありながら、それは同時代を生きる人々に共通であることがわかる。

個人のそれぞれの傷は、文化の傷、社会の傷、現代の傷とつながっている。あ

る個人が、なぜ自分はこのような不幸や苦しみにあうのだろうと嘆いていたり、不可解に思ったりしている時、それは文化や時代の傷を引き受けている。

同じ苦悩を引き受けている。

なんともトランスサタニアン的な言葉である。

札幌の人たち、無事を知らせてくれてありがとうございます。

ホッとしました。

と、同時に、このようなニュースを目の当たりにするたびに、私はいつもトランスサタニアン的痛みを感じる。

誰かが私の代わりに痛みを引き受けてくれている。

暗い夜に不安を耐えてくれてくれている。

自然災害だけではない。

難病に苦しむ友人も虐待死した子供もワーキングプアの独身女性も、いつかの、どこかの私の姿であるかもしれない。

トランスサタニアンという集合エネルギーを共有している私たちは、分け隔てなく、いつだって運命共同体なのだ。

誰かの夢を錦織選手や安室ちゃんが叶えてくれている。

誰かの日常をさくらももこさんが描いてくれた。

宇宙にとって、それは誰でもいい。

誰かが、誰かの代わりなのだ。

仕事が決まったと報告してくれたMさん。

病気の不安を話してくれたIさん。

恋の悩みを打ち明けてくれたTさん。

みんな私の生きていない人生を生きてくれている。

だから、その人生を無駄にしないように、私もまた明日から頑張ろうと思う。

北海道の皆さん、一日も早く平穏が訪れることを祈っています。

nico