心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

自分を超えていかなければ、見たい景色は見られない。

そう、お釈迦さまのお生れになった国よ。天竺にはね、わたしたちの見たこともないような鳥けものが野山を跳ねまわり、めずらしい草木や花が庭をいろどっているのよ。そして空には天人が飛んでいるのよ。そればかりではないわ。天竺では、なにもかもがわたしたちの世界とは正反対なの。わたしたちの昼は天竺の夜。わたしたちの夏は天竺の冬。わたしたちの上は天竺の下。わたしたちの男は天竺の女。天竺の河は水源に向ってながれ、天竺の山は大きな穴みたいにへこんでいるの。まあ、どうでしょう、みこ、そんなおかしな世界が御想像になれまして。

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昨日、世田谷パブリックシアターで、原作・澁澤龍彦、演出・振付・台本の舞踏家・笠井叡の「高岡親王航海記」を観てきた。

なんとこの舞台、生徒でオイリュトミー仲間の麻美ちゃんが舞台衣装のアシスタントを努めているのだ。

いい舞台だった。

演出の妙、ダンサーのパフォーマンスの美しさゆえだろう。

澁澤龍彦の魅惑的で艶のある言葉がステージの端々にちりばめられているかのようで、ナレーション以外、多くを語られることはないにもかからず、一編の小説を丁寧に読み進めているような気分にさせられた。

そして何より、笠井叡氏の76歳でこの仕事ぶり!

学びと成長の姿勢を持ち続け、常に最前線、新しい世界を切り開いていく、氏の姿勢にとにかく圧倒された。

先日、二コラボで「人を育てること 仕事編」というのをやったけれど、笠井先生も多くの”踊る人”を育てている人だ。

笠井先生の教えは、新しい知識の扉を開いてくれることだけではない。

こうして自ら新しい世界を開き続けていく、その生き様を”師”として見せてくれる。

これほどの仕事が今の私にできているだろうか。

そのように自分を問いただす機会、そのような姿勢に引き戻してくれる機会をもたらしてくれる、そういう「教える」ができる人物なのだ。

これぞ、射手座=木星がメンター、インストラクター、コーチと呼ばれる理由だろう(笠井先生は、もちろん射手座の人だ)。

理想のビジョンを目指し、今の自分を超えていく。

同じことを繰り返すのではなく、情熱を持ち続け、自ら進化しようと努力を重ねる。

彼の生き様を見れば、射手座=木星が棚ぼた的に仕事運や恋愛運をアップさせてくれるなど到底思えないし、棚ぼた的にもたらされたものが幸運を約束してくれるなんて、ちゃんちゃらおかしく思えてくる。

まさに”天竺”目指した高丘親王のように、自ら運命を切り開き、新大陸を目指し続けた人にこそ、未来が開かれていく。

「見たこともないような鳥けものが野山を跳ねまわり、めずらしい草木や花が庭をいろどっている」そんな世界を目指し、命がけで夢を生きる人こそが、棚ぼたで得たもの以上の喜びを得ることができるはずなのだ。

笠井叡氏は言う。

澁澤龍彦が他界されて31年目にして、やっとこの公演にたどり着くことができました。」

この舞台を観終わった後、私には夢があったことを思い出した。

日常の生活に追われて、すっかり心の奥の方に追いやってしまっていたけれど、そうだった、私にはやりたいことがあったのだ。

思い出した。

私も次の12年、さらにその先の12年のビジョンを新たに、私なりの”天竺”を目指すことを心に決めた。

この「未来を生きる希望」を得たこと、これこそが木星=幸運の象徴なのかもしれない。

こちらの公演は、明日1/27(日)15時が最終となります。

お時間ある方は、ぜひ足を運んでみてね。

麻美ちゃん、おつかれさま!

またゆっくり、舞台の話を聞かせてね。