心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

「成功」「幸せ」「安心」のための一般化されたフォーマットなどない

おそらく私のところだけでないと思うが、多くの人たちが新しい時代のための新しい生き方を目指し、自分でコンサルタントセミナー講師、ワークショップやお茶会の主催などの事業を興そうと相談にやってくる。

そして、そういう人たちの多くは、集客ビジネスセミナーやら、〇〇コンサルタントという人たちにまあまあのお金を払って、ITやSNSなどの利用方法やら、HPの見せ方などを教わったりする。

または、これは昔から存在しているが、「自分を知る」という態で多額のお金を自己啓発セミナーに投資したりもしている。

これまでは「めちゃくちゃお金に余裕がある人なら、暇つぶしに自分探しを好きなだけやればいいじゃん」とのんきに傍観していたが、今は、みんなが切羽詰まって自分の未来を考えているわけで、そしてそれに対し、それも切羽詰まった業者たちがFacebookなどを使って本気で獲物を狙ってくるわけで、これは由々しき自体だなあと、なんだかひとり暗い気持ちになったりしている。

牡牛座火星の最後に、または牡牛座天王星のスタートにあたり、もう一度、自分のリソースの大切さと、そしてその扱い方を見直したいなあ、見直してほしいなあとしみじみ思う。

その際、最近のチャート分析のひとつとして、強すぎる山羊座土星や射手座・木星が私にとって懸念材料になっている。

社会的報酬の天体と言われている木星(そういう読み方するから、多くの人たちが木星に踊らされちゃうのだけど)が一般的な成功や幸福のイメージをつくり、土星がそれに沿ったフォーマットなり、メソッドなりを構築し、それを一般論として提供する。

そういった方法論が巷にあふれかえっているように見える。

○○をすれば人が集まる。

○○をしないと時代から後れをとる。

〇〇で収入をもっとアップする。

○○をすれば結婚できる。

気持ちはわかる。

彼らはプロだから、スキルはある、人が惹かれるキャッチコピーをつくるのもうまい、そして自分は広いビジネス界で迷子になりそうになっている。

けれど、私が見てきたいわゆる成功者――イチローは先日の会見で、「どこからが成功でどこからがそうじゃないかを判断できない、だから僕は成功という言葉が嫌いなんですけど」と言っていたね――は通常の方法論に甘んじることなく、自分のスタイルとペースを模索し続けている。

クイーンのボヘミアンラプソディーの完成秘話じゃないけど、むしろ周囲に「NO!」と言われたときこそチャンス、常識の突破の時期、自分の殻を破れるときなのかもしれない。

そのうえで、プロの声を聞く。

最初から手取り足取りお任せするのではなく、自分に合うサイズ、資金、価値観、スタイル、個性を十分にわかったうえで、自分にはどうしても足りない知識を補ってもらう。

一人の旅路が不安な時、サポーターや理解者として、突破口をもたらす客観的な視点として彼らの存在をうまく利用する。

「成功」「幸せ」「安心」のための一般化されたフォーマットなどない。

そういうのを求め始めたときから、不安と無個性化がはじまる。

「個」を生きる時代と言われる時だからこそ、占星術で言えば個人天体の力を強める必要がある。

最初からカッコつけることなどない。

チープでつぎはぎだらけでも、自分らしさがにじみ出ていれば、その個性を買ってくれる人は少なからずいる。

個人で少しずつ世界をつくっていくなら、まずは一歩一歩、自分のやり方で進めていくこと。

1年や2年で簡単にものにできるものは、1年や2年で時の流れの中で消滅することになる。

自分が長く付き合ってきた自分の姿で勝負できるよう、その個性が消えないやり方を模索すること。

それがわかっていれば業者に食い物にされることなく、不安を感じることなく、コツコツと歩みを進めていけることになるだろう。

そんな私もアドバイスする立場なので、それぞれのリソースを大切にしつつ、その人のやり方で進んでいけるよういいやり方はないかな、を模索中。

それはもちろん簡単ではない。

人生は日々精進ですね。