心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

最後まで実践の現場にこだわり、人がよりよく生きることを願った人

今朝にかけて、tylnetforum(ティルの教え子たちのメーリングリスト)が騒がしいと思ったら、12/31、ちょうど83歳の誕生日にティルがこの世から旅立たれたという連絡だった。

 

世界中のTYLマスターコースの受講生たちが悲しみに暮れ、そしてどれだけティルから影響を受けたのかということを口々に語っていた。

 

こんなメールもあった。

 

We have been so lucky to know him, to be mentored by him. And those of us who were fortunate to be with him in person for his remarkable annual seminars got a direct infusion of his brilliance, dynamism, the stunning accuracy of his pschological analysis through his methods that he spent his lifetime refining; astrological analysis as well as consultaionskills.

私たちは彼と出会い、師と仰ぐことができて幸運でした。 毎年恒例の素晴らしいセミナーでは、彼の聡明な輝き、ダイナミズムが科学的分析と融合した見事な心理占星術の講義を目の当たりにすることができました。 彼は生涯を通じて、占星術分析だけでなく、コンサルテーションスキルの洗練に時間を費やしたのです。

 

まさにそうだと思う。

私がティルから受けた影響の一番大きな点は、まさに”コンサルテーション”、つまり現場第一主義であったことだ。

第一線で活躍している占星術家の多くは実践=現場を好まない先生も多いのだけれど、ティルはコンサルテーションをとても大切にしていた先生だった。

迫力のある風貌とは裏腹に、ティルは非常に理想主義な人物であり、常に人がよりよく生きることを願い続けていた人であった。

 

「そのためにどうしたらいいか」

その問いが、彼のたくさんの有益なメソッドを生み出すことになったのだ。

 

ティルは「欲求理論」を携えて70年代の占星術業界にセンセーショナルを起こしたとも言われているのだけど、まさに太陽・山羊座らしく、誰にも似ていない”俺”の理論を次々に打ち立てていった(それに対し、賛否は大いにあるものの)。

そして、地エレメントらしく、占いマニアだけでなく、実社会的に有効であることを目標にし続けた。

 

この写真は、2013年9月16日のもの。

懐かしいですね。

IMGP0687.jpg

 

そのときに、私が書いた記事「占星術家はもっと誇りを持っていい」をちょっとご紹介。

 

 

今日、私が印象に残ったのは、ブログの表題に書いた「占星家はもっと誇りを持っていい」という言葉だ。

「なぜなら私たちは、とても素晴らしい影響を人に与えることができるからだ」、ティルはそう話す。

だからこそ、しっかりと技術を身につけ、希望を与えるだけの確信を持ち、避けられない未来ではなく、可能な未来について話し合い、常識と洗練された言葉で鑑定を行うことが大切なのだという。

 

こういったことについて話しをしてくれた占星術家は今までいなかったことを考えると、やはり勇気ある人なのだと改めて思う。

世間に迎合せず、占星術家として仕事をしてきた人なのだ。

その価値は、なかなか伝わらないけどね。

 

 

 

2020年、もう一度、ティルが残したこの言葉「占星術家はもっと誇りを持っていい。なぜなら私たちは、とても素晴らしい影響を人に与えることができるからだ」を胸に仕事に臨もうと思う。

占星術の学習者の皆さんも、いつか「誇りをもって」現場で活躍できる日を目指し学びに勤しみましょう。

 

IMG_1598.jpgこちらは、ニュージャージーで行われたティルセミナーにて。

 

会うたびに、「若さの秘訣はなんだ?」と詰め寄られてたのを思い出す。

アメリカ人からすると、すごーく子供っぽくみられていたのかもしれないなあ。

嫁にいかないことを、とても気にかけてくれていたし。

 

ティルメソッドから離れてしまってずいぶん経つけれど、占星術における「先生」は私にとってはティルだけだ。

今でも私の中に、ティル理論はしっかりと根づいている。

 

Rest in peace