心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

海王星について 真実を”見る”勇気を失うことなく生きる

魚座海王星がイングレスする前、同業の仲間たちは口をそろえて、「これからスピリチュアルブームが来る。ビジネスチャンスがやって来る」と言っていたのを思い出す。

そのあと東日本大震災があり、それから10年が経った。

スピリチュアルブームが来たのかどうかはわからないけれど、SNSYouTubeの流行もあり、一般の人たちにも天体の運行や配置の情報が浸透し、こちらのほうが驚かされることがある。

確かに、10年前とは違う。

占星術の知識を使って多くの人が自由に発信をし、幅広くビジネス展開ができるようになっているのかもしれない。

その分、学問としての面白さは激減した気がする。

 

今、翻訳本のゲラのチェックをしていて、今日、ちょうど海王星のパートに入った。

そこにこんなセンテンスを見つけた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

海王星のトランジットの影響下にいる間、多くの人は自分がどこに向かっているのかを見ることができないと感じている。

真実を見る機会を与えられたとき、多くの場合、人はそれを利用しようとしない。そして次に、明確なヴィジョンが奪われたときに、人は何としてでも見ようとする。これが、私たちの見るための能力に実際に影響力を持つ海王星の厄介な面だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の講座でもよく「海王星は、真実を教えてくれる天体である。でも、その真実とは、実際、目をそむけたくなるものが多い」というようなことを話す。

 

人は、「本当のことを知りたい」と言いつつ、見たいものだけを見ようとする、聞きたいことだけを聞こうとするところがある。

彼の気持ちが知りたい。

自分の能力を知りたい。

これからの未来が知りたい。

そう問いかけたとき、人が知りたいのは、いわゆる「いい話」であり、「こうなってほしい」という期待であり、だから結局、人は「真実を見る機会が与えられたとき、多くの場合、それを利用しない」ということになる。

 

天体のエネルギーを都合のいいように扱うことはできないわけだから、海王星のビジョンの力、真理を得る力を受け取るためには、痛みを伴う真実をまっすぐに”見る”勇気、真っ向から受け止める勇気を失うことなく生きてこそ、未来につながるビジョンを受け取ることができるということになる。

 

だから、見たくないもの、知りたくないものを心のどこかにためこんでしまっていたら、見るべきもの、知るべきものを取り込むスペースがないということになる。

真実を見たければ、本当のことを知りたければ、”見る”しかない。

たとえ受け止めたくないものであったとしてもだ。

 

福島の原発事故によって、日本の安全神話は崩れてしまった。

失われた20年、30年があり、この10年間を経ても、それを取り戻すことはできず、日本はアジアの中でもすっかり後進国になり下がってしまった。

コロナ禍で自殺者、貧困層も増え、日本女性の働きやすさは主要29か国中ワースト2位、決して世界に誇れる国ではもう決してない。

 

海王星の象徴の中には、「失望」という言葉がある。

実際、真実なんて失望しかないではないか?

でも、真実を見つめなければ、正しい未来は作れないではないか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

否認――現実から目をそらすという負の循環は、私たちがようやく自分の目を開き、鏡の中の自分自身を思い切って見ようとするまで何度も繰り返され続ける。もちろん、この価値亜はかなりの勇気や強さを必要とする。そのため、ほとんどの人は最も妨害の少ない道のほうを選ぶ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

だらこそ、海王星には本能的インスピレーション=普遍的心理を与えられる。

私たちにとって、本当の意味での善なる選択とはどのようなものなのだろうか。

否認をやめ、真実と向き合えたとき、進むべき道が見えてくるのだろう。

 

また、次の10年に向け、今度こそ国/企業/個人にとって正しい選択をしていきたいものだ。