心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

「子育て」ではなく「子どものwell-being」という観点でチャートを読む

子育て研究会、週末の講座の参加者のみなさん、おつかれさまでした。

 

どの講座、どの勉強会や研究会もそのその都度その都度、新しい知見が広がるいい学びの機会でありますが、特に、子育て研究会は私自身を豊かにしてくれるとても大切な時間になっています。

 

その理由は、おそらく「子供」にあるのではないかと思っている。

 

まだ自分にふさわしい判断を明確にすることができず、大人のように声を大にして痛みを訴えることもなかなかできず、与えられたものを「当たり前」として受け取らざるを得ない状況にある。

 

だからこそホロスコープというのは子供を理解する重要な手掛かりになるのではないか。

Fさんも言っていたように、ホロスコープは「見た目や状態に惑わされず、その人の持っている本質に迫ることができる」もの、声にできない子供のニーズやフラストレーション、情熱の矛先の向く先を見つける羅針盤になるのではないか。

 

ここで羅針盤とあえて書いたのは、グーグルマップのような”最短距離”を教えてくれるもの、無駄なく確実に目的地にたどり着くためのツールではなく、「方角を指し示す道具」のことを言っているのだが、私はこの研究会を通して、まさに今こそ、この”羅針盤”という感覚が大事なのではないか、子育て指南書や〇〇カウンセラーにあふれた時代こそ、子供のチャートを読む際には、この”羅針盤”という感性が大事になるのではないかと思うようになった。

 

ただアプリに出生データを入力して、自動的にパッと出てきたチャート表示(グリット表やエレメント、モダリティの数、エッセンシャルディグニティの点数)をパパっと読むのではなく、自分の知識と経験を頼りに丁寧にチャートと向き合い、羅針盤の針の指し示す意味を解いていく。

チャートが訴えかけてくる声――満たされない思い、まだ未開発な能力、心細そうな心、いきいきとした好奇心、そういったものを静かに理解していく。

 

今回の子育て研究会では、私のほうからひとつ提案をさせてもらいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうせ占星術の技術を使うなら、とことん使い切れるだけの技術を身につけること

ちょっと勉強して、ちょっとかじって、ちょっと読むでは人の人生に対し、あまりに無責任ではないか。

技術を提供する側としては、最上級の技術を身につけ、それを提供していく、そういった努力をし続けていく必要があるのではないか。

そうすることで、現場の中で適切に―――この質問に対し、どこまで、どのくらいの話をしていくかというさじ加減を持って――技術を使えるようになってくるだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の子育て研究会では、母と子の力学ではなく、お子さんのチャート読みに徹して読んでいきました。

「子どものことをもっと理解したい」というお母さんからのニーズも極力省いて読んでみました。

その理由は、子どもの「心象風景」に集中したかったからです。

 

お母さんのお子さんに対する印象

うちの子は…

・落ち着きがないんです

・一人遊びが好きなんです

・赤ちゃんとか動物とか、弱いものに対して優しいんです

・弟にライバル心を向けるんです

 

といった欲目や心配事をなるべく省き、できる限り子供の心象風景に寄り添ってみる、そこに徹して読んでいきました。

 

障害や育てにくさといった問題にみえるものは一旦わきに置き、チャートから純粋に読み取れる恐れ、不安、欲求に寄り添ってみる。

「子育て」としてではなく、「子どものwell-being」という観点でチャートに向き合ってみる。

 

大人が考える子育ての難しさなんて、実際、子供のwell-beingにまったく関係なかったりするわけなのだから、まずは子供を中心に、丁寧にチャートと向き合う。

私たちができるのはそれだけだ。

それが発達障害と言われた子供であっても、そうでなくても。

 

今回、知識の足りない私に対し、ふみさん、わかなさん、新しい参加者の方を始め、皆さんの率直な意見や問題提起がいい刺激となり、私の中でも新しい意識が生まれました。

次回の子育て研究会では、もう一度、子供のチャートと徹底的に向き合うということで、「いったいチャートからどのような情報を拾い上げたら、子どもの心象風景が理解できるのか」「実際、子どもの心象風景とはどういうものなのだろうか」という点を、ぜひ皆さんと考えてみたいと思っています。

 

わかなさんからは、次回はもっと皆さんの声を聞きたい、それぞれの考えをもっと聞かせてほしいという要望をいただきました。

こちらも次回、しっかりやっていきましょう。

 

参加者の方へのメールにも書きましたが、

 

講座、研究会、鑑定などではチャートの読み方がけっこう違ったりします。

何を望まれているのかで、ホロスコープの焦点の当て方も変わることが、今回の研究会でとてもよくわかりました。

ということで、次回はお子さんのチャートに丁寧に寄り添いながら、どこまで掘り下げるか、下げないか、その「程度」について考えてみたいと思っています。

 

ということで、皆さん、これからも「羅針盤を読む技術」をせっせと磨いていきましょう。

 

nico