今日の14:00は、心理ホラリー&コンサルテーションチャート講座の4回目。
実際のクライアントさんの悩みに答える練習、レポートも提出してもらっています。
3,4行のテキストの中に子供との関係、仕事のこと、人生のこと、自分の運命のこと、新たな人間関係のことなど複雑な質問がいくつも並んでいます。
では、この質問に対し、私たちがやるべきことは何なのでしょうか。
これらの複雑な質問に対し、丁寧に回答していくことでしょうか。
せっかくコンサルテーションチャートという技術を使えるのに?
なぜ、本人ですら「わからない」と言っていることに、それが適切な質問かどうかすら、本人がわかっていないのに、占星家が一から十まで答える必要があるのでしょうか。
逆に、不必要な情報を与えることによって、より悩みを深めることにならないでしょうか(時々、「どんな質問をしたらいいかわからない。だから仕事、結婚、お金、健康について教えてください」というクライアントさんがいらっしゃいますね)。
私たち心理占星術家はやるべきこととは一体どのようなことなのでしょうか。
明日の講座では、こちらの問いを皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。
一つの回答として、まず私は、現場において「暫定的に進むべき道を決める」ということをクライアントさんとともにしていくことから始めます。
とにかく、結局、人生とは「暫定的に決めておく」ことの連続でできているわけですが、悩んでいると、どうしても近視眼的に「どこかに正しい答えがあるはず」という思いに駆られやすくなるし、またはある程度、ぼんやりと進む方向がわかっていたとしても「自分の考えていることが正しいのかどうか、第三者に話を聞いてみたい」となります。
基本的に「正しさ」の基準はとても難しいし、短期的、長期的というように時間の長さによっても「正しさ」の意味合いは変わってくる。
だから、「正しさ」を求めすぎると前に進めなくなるので、悩んでいるときこそ「暫定的に決めておく」という姿勢が大事になってくるのです。
というか、むしろ「暫定的である」ことにこそ価値があるというか、(仮)にしておくことができるようになると、前に進むことが楽になることもあるかもしれませんね。
そして、このコンサルテーションチャートは、「暫定的に決めておく」ことが得意な道具であります。
通常の伝統的なホラリーチャートやコンサルテーションチャートは、むしろ「正しい」を求める道具のように使われることがありますが、刻々と変わりゆく、移りゆくトランジットを利用することで、「今、とりあえず」という視点を切り取ることができる、ひとまず、このように進んでみましょうかという、気軽なステップを踏ませることができる。
これは悩んでいる人には、よい視点になると思います。
そしてもっと言えば、「暫定的」であるように見えたものも、実際は、自分の進むべき道から離れることは決してないということ。
コンサルテーションチャートというのは、個人の第2のホロスコープのようなものなので、コンサルテーションの最中に「暫定的」だと思っていたものは、むしろ「恒久的」で「重要な」答えだったことを本人が気づき始めることがとても多いのが現場の面白さだったりします。
いきなり核心に入らずに、こっちの方向でどうすかね?みたいに話が始まり、あれ?それって自分の願望だったかもしれません、いや、それこそやりたかったことです!というようになって話が進んでいくわけです。
だからこそ、占星家が「正しい(と思われる)答え」を用意し、ある決定に縛り付け、クライアントの自分で決定する力を奪い去るのではなく、「暫定的に進む道」を指し示すことで、その余地をクライアント自身が埋めていくという共同作業が成立していくことになる。
これぞ、ナラティブセラピーのオルタナティブストーリーへの道ということになります。
明日の講座でももちろん、12/18(土)からスタートする心理ホラリー&コンサルテーションチャートは、このように
①今、ここに示された暫定的な道を指し示すこと
②その余地にクライアントの意識的、無意識的な欲求や願望を埋めていくこと
③「ああ、やっぱり私はこうしたかった」という自己決定の機会を与えること
といった技法をお伝えしていきたと思っています。
コンサルテーションチャートは、クライアントだけでなく、占星術家を凝り固まった「正しさ」から解放するものとなります。
ぜひ、クリエイティブな現場をつくっていく練習をしていきましょう。
【zoom】12/18スタート! 心理ホラリー&コンサルテーション占星術、第3土曜AMクラス
◆開講スケジュール
毎月第3土曜日 10:00~13:00
12/18、1/15、2/19、3/19、4/16、 5/21(全6回)
◆講座料
一括払い:82,800円
毎回払い:14,00円×6回
※メールでの配布資料、税・手数料込みの金額となります。
◆カリキュラム(全6回)
第1回 心理ホラリー&コンサルテーションチャートの技術を学ぶ①
●伝統的的なホラリー占星術の技術を”今”に活かすための学び
・心象風景としてのコンサルテーションチャートとは?
・ASCサインを心理的(恐れ、不安、欲求など)に理解し、乗り越えるべき課題、手放すべき心理的パターン、悪循環を考える
・エッセンシャルディグニティを心理的に理解し、質問者が”今”をどうとらえているかを理解する
・ 実際のチャートを使ってネイタルチャートとコンサルテーションチ ャートのシンクロニシティを体験
・ストーリーテラーとしての月を使用し、 物語の流れや時期を理解する
第2回 心理ホラリー&コンサルテーションチャートの技術を学ぶ②
● より深くクライアントを理解するためにコンサルテーションチャー トを利用する
・ 心理的防衛や解決すべき課題をコンサルテーションチャートから理 解する
・アクシデンタルディグニティ(ハウス、アスペクトその他) を心理的に理解する
・ コンサルテーションチャートを利用しネイタルチャートの理解を深 める
第3回 ホラリーチャートを徹底的に読みこなす①
●ホラリーチャートを第2の出生図として読みこなす
・ネイタルチャートを利用せず、ASCサイン& ASCルーラーから個人のパーソナリティや課題を理解する
・必要最低限の象徴を利用、組み立て、読みこなし、 チャートに物語を持たせる
・ハウスを最大限に利用し、解決策や未来の方向性、 時期等をしっかりと提案する
第4回 ホラリーチャートを徹底的に読みこなす②
●本当に解決すべきテーマとは? クライアントの質問とその背景にある”真意”を考える
・ホラリーチャートからクライアントの向き合うべき”今” を理解する
・ チャートに示された人物たちそれぞれのパーソナリティを理解する
・必要な象徴を道具として使用し、 課題の把握から解決までの物語を丁寧に組み立てる
第5回 総合演習① ホラリー& コンサルテーションチャートから複雑そうに見える問題を整理、 提案へと導く
●ネイタルチャートとともに、質問者の心理的テーマ——防衛、 悪循環、共犯者等を考える
・質問を整理し、「今、解決すべきテーマ」「責任の所在」 を考える
・ホラリー&コンサルテーションチャートに示された象徴から、複数の登場人物のパーソナリティ&「こんがらがった問題」 を整理する
・質問者ではなくチャートから「今、 本当に解決すべきテーマは何か」を考える
第6回 総合演習② ”今”に対する意識を変えれば、過去も未来も変えられる
●進行図(セカンダリープログレッション&ソーラーアーク) を利用し、質問者にとっての”今”と”これから”を考える
・ホラリー& コンサルテーションチャートと進行図のシンクロニシティとは
・質問者の”今”を理解し、人生を変化可能なものとして提案する
・質問者の”これから”をスケジューリングする
・人生を戦略的に組み立てる