心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

自分の認知バイアスを外して、プーチン政権のチャートを読んでみた

2/8(火)の4回目の火星サイクル手帳2022制作ミーティングの後、ZOOM上でみねこさんとロシアの行く末についてぺちゃくちゃおしゃべりをしていたとき、「これは事実上の戦争だよ」と軽口をたたいたのを思い出す。

何を根拠にしていたのか、今となってはわからないけれど、多分、外の情報をかき集めて、思いつくまま口にしていたのだと思う。

 

そして、実際ウクライナへの攻撃が始まってみると、占星術を用いて分析することに抵抗している自分がいるのに気づく。

後付けで根拠を見つけるのは難しくないのかもしれない。

「風の時代だから」ということで話が済んでしまうのかもしれない。

なんだかんだと、とりあえず言っておけばいい。

 

実際、今期の火星サイクル手帳の「はじめに」のところでも書いたように、または火星ワークショップなどで常にお伝えしているように、火星が12番目の最初のサイン・牡羊座で逆行するサイクルというのは、まるで生まれたばかりの赤子のように、先の見えない時代に放り出され、右も左もわからないまま、なんとか手探りでやっていかなければいけない、生きる力を試していかなければならない、そういう時代に突入してしまったのだということ(火星が牡羊座からスタートするのは79年ぶり)、それを今、私たちは体現しているに過ぎないのではないか、そんな言い方だってできるかもしれない。

 

または、月イチ勉強会で2021年の春分図読みをしたときに、陰サイン(特に水サイン)が強まると、むしろ分断が起こるという話をしたが、よく伝統占星術では、水エレメントは火星的性質が強まる(トリプリシティ)という話もあり、または魚座木星海王星・12ハウス的には、魚座麻原彰晃ではないが、ジハード(聖戦)という意識が高まることも十分考えられる。

 

そうやって読めば、どんな象徴もウクライナ制圧への意味付けは可能であるわけだが、でも、これでは何か物足りない。

もっと私自身の認知バイアス――自分のものの見かた考え方に近い根拠、自分の考えだけを裏付けする見つけようとする――を外し、占星家らしい姿勢でチャートを読んでみると、どんなことを伝えられるのか、そこを考えてみようと思った。

 

で、読んでみたのは、プーチン政権が誕生した2000年5月7日のチャート(時間不明)。

私の講座では、プーチン大統領本人のチャートはかなりおなじみで(職業占星術講座で適職診断に使う)、実際、ミッドポイントやら隅の隅まで分析済みで、つい先日も読んだばかりなのだけれど、こちらへのコメントは後ほどするにしても、まずは以下のチャート。

 

画像1

 

ソ連崩壊から30年、その三分の二の歴史をプーチン政権が握ってきたということになる。

社会主義から資本主義へと舵を切り、ロシア市場が開放。

ソ連時代末期に深刻だった物不足は一気に解消されたが、92年のインフレ率2,600%、1年で物価が26倍になりお金の価値は、1年で26分の1となり、多くのロシア人が一文無し同然になった。

そして、国民は民主主義に幻滅し、強いロシアを復活させてくれる独裁者を求める機運が高まったとき、プーチン政権が誕生したのだ。

 

このチャートの個人天体5天体は、すべてパースペクティブが個人、また不動サインが圧倒的に多いことから、この政権が独自の価値観の体系を作っていくことで生き残りを図ろうとする、関係性や全体から自国を切り離し、個としての国を創造することに向かっていく、そんなことがうかがえる。

陰サインも強いことから、安全を脅かされることに対する違和感、価値観が違う異分子に対する神経質さとしても読むことができるかもしれない。

 

そして、このプーチン政権誕生のチャートに今、重要なトランジットがやってきている。

このチャートの水瓶座天王星にはトランジット土星が、そして、牡牛座・土星には天王星が、それぞれにコンタクトを取ろうとしている。

つまり、このチャートは今、土星天王星の影響を強く受けていることがわかるだろう。

また、土星のサイクルが最後の4ステージ目、つまりこのチャートの水瓶座土星は、牡牛座・土星への回帰=リターンに向けた下弦の月の相(既に大統領を退任する2024年以降も権力を保持するための布石を打っているらしいことから、終焉に向けた動きと考えてもいい)、山羊座の相であることを考えると、今まさに、プーチン政権の集大成的な時期であり、この20年で出来上がったシステムを、さらに洗練させるべく、環境へと働きかけていく機が熟したということになる。

 

それが、ロシアのプーチン大統領の今回の目的についての分析―――ウクライナの現政権を排除し、独自の統治方法を導入することだ―――が強調されている土星天王星の意味にもつながっているということだ。

 

みねんこさんは、火星チームに宛てたメールの中で、こんなことを書いてくれました。

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大国の武力を行使できるプーチンが、西側との関係構築を自国の未来のために行おうとする隣国ウクライナに対し、狡猾に戦略的に攻め込んでいる。

社会サインでの火星は、世の役に立つことというより、「自分の」システムを盤石なものにしていくとニコさんが言っていましたが、ロシアの火星山羊座期がまさに!と思いました。

 

ウクライナは歴史的にも昔からロシアの一部であるのに、西側の真似をして我々のチームから離脱しようとしたいことが由々しい問題である。

これを放置すると我々チームの他国や自国のそういう考え方を好む一部の国民に不要な自由や力を与えかねない。

そんな未来の脅威を防止するために、武力衝突を作り実効支配してそれを正当化する抗弁を全力で行っているように見えます。

 

山羊座火星期と絡めて考えると、システム基盤から揺さぶられる期間がある程度あって、ロシアは今こそ行動の時と秋から準備していた計画案を火星で前面に強く押し出した?

そういった脅威にさらされたウクライナでは、要求に従っても、独立性を守っても、厳しい状況で日常生活が変わる。下手すると国はなくなる。

経済や政治の緊張で西欧諸国、もちろん日本も意識を揺さぶられて、今時点での物事の優先度合をそれぞれに見直す局面になっている。

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このチャートをもっと深く掘り下げたら、プーチン政権の歩みがより深く理解できるだろうなーと思いつつ、実は、4月から開催する時期読みパーフェクトマスター講座でプーチン大統領の歴史を取り上げてみようかなんて話していたところだったので、それは別の機会に譲ろうかな。

 

分析してくれている方はご存じの通り、プーチン大統領のチャートはとにかく冥王星や関係性のパースペクティブが強調されているので外部に対する力の行使もさることながら、国内での統率力にこだわりがあるように見える。

今回は、国内での力の誇示ということも含めての最終章、最後の花道に向けた動きであることは間違いなさそうだ。

 

ちなみに、私の認知バイアスは、一般の日本人らしく平和ボケ的な平和主義的な発想。

そんなひどいことになるわけがないというバイアスがかかり、”オソロシア”のような力技に出られると思考停止してしまう。

 

ということで、ここから先は、ぜひまたトランジット読みの機会などでみんなで考えてみたいなと思っています。

週末の生き方働き方勉強会でも、皆さんの考えを聞かせてもらいたい。

 

nico