心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

発達とは単純に幸福を求める姿勢ではなく、深い幻滅とともにある

笠井叡の舞踏公演「牢獄天使城でカリオストロが見た夢」を見てきた。

作品はいつも通り、体中の隅々まで強引に目覚めさせられるような苦しく、幸福に満ちたな内容だったのだが、パンフレットの中にこのような一説があった。

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ペーター・ヴァイスの演劇台本のなかで、20数年間、牢獄に幽閉された文学者であるサド侯爵に、次のような台詞を語らせている。

 

サド:何が誤りで何が正しかを決定するためには

   われわれは己れを知っていなければならない

   ところがこの私は

   己れを知ってはいない

 

常に人間は歴史の闇の中を、手探りで歩き続けなれけばならない。何が正しくて何が誤っているかを判断出来るよりも先に、時代の大きな波の中で、背中を押されるように、思わずすべてのことをやってしまうのだ。

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今、何も判断できない状態で歴史の中に放り出されているように感じている私は、やはり己れを知らないのかもしれない。

わかろうという努力だけは手放さないように、世界のあらゆる領域の思想的な対立構造の中に存在する対極性を無理に単純化しないように、あとはひたすら、これ以上人が死なないことを祈るだけだ。

 

昨日の、子育て研究会は、私がしばらく温めてきた心理占星術と発達、成長の考え方を皆さんにお伝えすることができて、そして、皆さんから充実したフィードバックもらうことができて、とても充実した時間をもつことができました。

 

やりたいーできない 限界の感覚で補完しないと、子供は自己理解が成長しない

垂直的な発達と水平的な発達

発達とは、ただ単純に幸福を求める姿勢ではなく、深い幻滅とともにあるもの

どう幻滅し、どうこれまでのフィクションを乗り越え、そこから解放されるか

発達は自分のペース、独自の仕方で展開していく、だから発達はゆっくりであるべきで、他者によって操縦されるものではない

 

昨日は、そんな話をさせてもらいました。

こうして箇条書きに書いても、皆さんが通常考える発達や成長のイメージ=垂直的な発達とは大きく違うかもしれませんね。

 

ふりかえってみると、私たちは多くの幻滅、失望とともに成長してきました。

親に、兄弟に、友人に、学校に、会社に、そして自分自身に…

そのたびに試され試されして、なんとか「自分」を育て、つくってきた、前へ進んでいく原動力は、もしかしたらこの幻滅、失望になるのではないか。

その繰り返しが、確かな未来をつくっていくことになるのではないか。

 

研究会終わり、こんなコメントをいただきました。

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木星の横の成長の話、地→風→水の構造の話、出来ないことを受け入れて器を広げる話、、

どれも自分のことなら「そうだな」って思っているのに、子どもに向き合うと、何故かすっかり忘れてしまう。不思議です。

昔なら、おじいちゃん、おばあちゃん、ご近所の人たちが話してくれたようなことかもしれませんが、今は親子だけの密な時間が多いので、考えが狭くなってしまうのでしょうね。

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今日もとても納得できる考え方でした

成長と発達ですが、親の価値観で守られてきた子供は、大人になっても親に守られたまま、自分で生きるという体験をしていないと、親が高齢になり子供を守れなくなった時に、その子供は見た目は大人でも自分の力で生きていくことがとても難しく、火星力の必要性と火星のサイクルを使い12ハウス全ての体験が成長になり自分の人生を創造する力になると納得しました

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射手座の木星魚座木星のお話を聞き,やはり陰と陽で成り立っていて、どちらか片方ではいけないなっと,木星に盲目になってはいけないなっと感じました。 また、失望を善悪の悪で捉えてしまいがちな前提を書き換えていきたいなっと改めて感じました。毎回ですが本当にホロスコープの構造ってすごいです!!

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そして、今回も親子鑑定の実践の中でコンサルテーションチャートの有用性、そして家族全体に働いている力学とその不均衡な状態を確認し、そこをどう整えていくかという視点を観ていくことができました。

 

一日たって改めて考えてみて、金星のオポジション関係の葛藤と補完のテーマ、その解釈の仕方、すごく大事な話だったなと思いました。

皆さん、あのリーディング、もう一度動画で復習しておいてください。

 

よかったら、次回はもう一度、Mさんの家族のチャートを見直して「問題点としての価値観の相違」ではなく、「補完関係としての価値観の差異」というのを考え、様々な価値観の差異から学ぶ発達、成長というのを考えてみるのはどうでしょうか。

 

それぞれ、「これまでどのような価値観の相違の葛藤があったのか」「価値観の差異からどのようなことを学んできたか、学びたいと思っているか」などを考えてみたいなーと、昨日の研究会を終えてふと思いました。

私のほうでも、また発達心理学の観点でお話しを用意しておきます。

 

皆さんと共に、こうして充実した学びの時間を持てることをとてもうれしく思っています。

私にできる一番小さなことは、まず身近な人たちと手を取り合い、助け合い、励まし合い生きていくことだと思っています。

身近な人を幸せにできなければ、大きな幸せを望むことは難しいですものね。

 

また来月の子育て研究会でお会いしましょう。

 

しかし、昨日の笠井叡の公演、笠井先生がソロで踊った曲がRoger Watersとは!

しびれたなー

 

nico