ここ1年くらいラカンの精神分析というものに触れる機会が増え、まだ入り口にも立っていないほどに理解は及ばないのだが、”象徴”というものに親和性があるがゆえ、最近、少しずつその考え方を自分の鑑定や講座に浸透させていっている。
金曜日からはじまった「心理タロットマスターへの道」でもその考えを一滴ほど、皆さんに伝えさせてもらった。
それが今日のテーマである
象徴の力を最大限に発揮するために必要なこととは何か。
それは「象徴は、それ以上でもそれ以下でもない」ということを知ることである。
これが心理占星術、心理タロットの現場の最終目標だと思ってもらえるといい。
参加者のNさんが、とある講座で「nicoさんは、象徴をそこまでしか伝えないのですね。説明をあまり与えないのですね」と言われたのが、この考えを皆さんに伝えるきっかけになったということもどこかでお話ししたかもしれない。
土曜日に行った2つの職業占星術講座でも、また昨日のコンサルテーションチャート講座でも、この辺の話を繰り返しお伝えしたし、職業占星術講座のモニター演習では、この考え方が何を指し示しているのか、実際、体験してもらうこともできた。
Sさんがモニターさんを前にある象徴の伝えるべき範囲を超えて、伝えすぎてしまったばっかりに、「術」としての象徴のパワーを失い、ただの「悩み相談」になってしまったのを見て、このようにお伝えしました。
「ここまでは象徴の力、そこから先は象徴の力を超えた個人の思い込みの世界。だから、伝えたい気持ちを抑えて、象徴がもっとも力を発揮するところで対話を止めないといけない」と。
そしたら、Sさんは「自分で言ってても、言葉が失速したのがわかった」と言ってくれたのです。
そうそう、そういうことです。
それは、伝える側も、伝えられる側も同時に体験する「術」のエネルギーなのです。
これがわかると、現場は本当に面白いです。
象徴の力を保持するためには、引き算の鑑定が間違いなく必要になってくるというか、性格判断的解釈「獅子座だから〇〇でしょう」とか一般常識的判断「お子さんが2人いて生活大変でしょう」とか、そのような価値観を現場には決して持ち込まず、大前提として文化(性別、年齢、社会的立場)や価値観をなるべく排除し、占星術の持つ構造にどれだけ忠実になるか、そこに徹することが大事になるのです。
ほんと基礎を理解することは大事ですね。
分析的に言うと、
解釈に意味を与えず、むしろ意味を切り、全く新しいものを出現させること。
これがいわゆるナラティブセラピーのオルタナティブストーリーということになるでしょうか。
週末は、あまりにこの話をくどくどやっていたので、参加者の方たちは食傷気味かもしれませんが、私にとってもまだうまく説明できていない領域なので、できれば今育ってきた優秀な研究生の皆さんと、この辺の理論を一緒に育てて、新しい占星術の可能性を探ってもらえたらと思っています。
この辺のことを考えると、かなりテンションが上がります。
長く同じ世界に携わっていると、このような技術の成長を楽しめるものなのだとワクワクしています。
皆さんもぜひ、ここからまたお付き合いいただけたらうれしいです。
今夜は、今日からスタートする心理ホラリー&コンサルテーションチャート講座がスタートするので、またこの話しちゃうかも。
参加者の皆さん、後ほどよろしくお願いします!