心理占星術と未完成な日々┃nicosmic life

自分自身が納得できる人生を歩むために、ホロスコープの構造を利用する

クライアントの人生を限定してしまってはいないか?

ナラティブセラピー、その後のコメント、いろいろありがとうございます。

私自身、サクシーデントハウスの講義の後、大きな反省へとつながったのが、内的アイデンティティと志向的アイデンティティの理解についての考え方。

これは、占いのあり方そのものにも関わるような、大きなテーマになっていると思うのだけど、この仰々しい言葉は、つまり、どういうことかというと、内的アイデンティティというのは、人には無意識の欲求、直感、要求、願望、気質、性格特性というのが備わっていて、その人らしさを示す本質や要素は必ずどこかに存在しており、人生は、こうした要素や本質によって左右されるものだという考え方。

これが内的アイデンティティ

それに対し、志向的アイデンティティというのは、欲求や本質などに関係なく、個人は、求める目標を達成しようと努力する中で、自分自身の存在を積極的に形作る行為をするものだというもの。

つまり、個人を特定づける性格や特性なんてものはなく、個人は性格を好きに選んでいいのだということだ。

「私は人づきあいが苦手で、引っ込み思案で、臆病な性格なんです」という人が、明日から、「私は何にでも興味があり、積極的に人生を楽しむことと人と話をするのがとても好きです」というふうに自分を語っても、何も問題はないのだということ。

あなたの性格なんて、誰が決めたのよって話。

社会構成主義によれば、「言葉によって語り、構成すれば、そのようになる」ということだから、「引っ込み思案」と自分を語れば、その瞬間から「引っ込み思案」な人生が構成されていくわけで、だから、人生をこのように構成したいと目的志向的にアイデンティティを語れば、そのような人格に合うよう、人生が構成されていくと考えてみるといい。

これがナラティブセラピーの目標だ。

内的理解とは、「カプセルに入った自己」。

個人の可能性は限定され、孤立し、多様性を失う。

人は、自分の本質から外れた行為や言動はタブーと考えられている。

「臆病な私」は、その表現にあうよう、人生を生きる。

このタブーを乗り越え、語り口を変えることが、個人の未来のアイデンティティの懸け橋になるのだ。

占星術とは、まさに、「カプセルに入った自己」を強化させるようなものだ。

水瓶座のあなたは個性的な人だからとか、ほっとけって話。

個性的に生きようが、没個性的に生きようが、今の人生の目的に合うよう、好きに私のアイデンティティを志向することで、今の私にあったアイデンティティを更新することができるのだ。

何サインだから、そのようにふるまわなければいけないという約束事なんてない。

何も固定、限定された、特定の自己に縛る必要はない。

なので、あなたは牡牛座だから○○な人、○○な人生というカプセル化は、何者かになっていくのを妨げる可能性がある。

先日もティル予習会で話をしたけれど、せめて心理占星術だけは、アイデンティティの決めつけをやめ、well-beingになる協力ができたらいいのではないかと思う。